女優から起業家に転身 ジェシカ・アルバが語る「17億ドル企業」の未来

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これまで「オーガニックコットンで出来たタンポン」について熱く語り、観衆の喝采を浴びる女性起業家がいただろうか?評価額17億ドル(約1,760億円)のオーガニック家庭用品ブランドThe Honest Companyの創業者であり、「ファンタスティック・フォー(超能力ユニット)」などのハリウッド大作に出演する女優でもあるジェシカ・アルバは、これまで存在しなかったタイプの起業家だ。

そんな彼女が10月17日、ボストンで開催されたフォーブスの第3回「アンダー30サミット」に登壇し、成功の秘訣を明かした。

2012年に立ち上げたThe Honest Companyの急成長により、今年35歳にしてフォーブスの「最も成功した米国女性」ランキングに入ったアルバの向上心のルーツは、喘息やアレルギーに苦しみ、肺炎で数週間入院することもあった少女時代にさかのぼる。

「絶対にスーパーヒーローになってやると思っていました。病気がちだったこともあり、スーパーパワーを手に入れてあらゆる困難を克服し、世界を救うことを夢見ていたのです」

普通の人が買えるエコ製品を

家庭用品に関心を持ったきっかけは初めての妊娠中、大手メーカーの洗剤を使って腕に発疹ができたことだった。アルバは身の回りの家庭用品に含まれる成分を徹底的に調べ上げ、配合が禁止されている化学物質がEU圏では1,200以上あるのに対し、アメリカではたった11しかないことを知る。その後、米国政府による規制と透明性の強化を求めてロビー活動を始めたものの、党派対立に巻き込まれた。

「問題の本質とは関係のない、政治の争点にさせられてしまいました。私たちは皆、健康と安全が欲しいだけなのに」

アルバの望みは、富裕層向けでもなく、ヨガを欠かさない完全菜食主義者用でもない、一般大衆が買えるエコで安全な製品を作ることだった。その目論見は大当たりし、The Honest Companyはこれまでに2億ドル(約207億円)を資金調達。アルバは現在、評価額17億ドルにのぼる同社株の15〜20%を所有している。

9月には、家庭用品大手のユニリーバと10億円ドル(約1,038億円)以上での売却交渉を行っているとウォール・ストリート・ジャーナルに報じられた。

「もともとThe Honest Companyは消費者第一の会社です。(会社の行方に関しても)消費者に主権があると思っています」

事業は常に順風満帆だったわけではない。この1年間で、The Honest Companyは複数回にわたって訴訟を起こされた。いずれも日焼け止めや洗剤などの成分に関するものだ。しかしアルバはこれらの経験を通して、ユーザーとの絆がより深まったと語る。

「毎月、買い続けてくれる人たちが大勢います。私たちは人々の暮らしに変化を起こしたのです。起業家にとって大事なのは、困難に直面しても、それに影響されないことです」

労働環境の改善を訴える

最近のアルバはまた、自身の影響力を利用し、子育て世代の労働環境についてもたびたび発言してきた。彼らはThe Honest Company製品の主な購買層であると同時に、会社のパフォーマンスを左右する層でもある。

「The Honest Companyの優秀な従業員の大半は子を育てる親です。従業員が家庭と仕事をきちんと両立できるような福利厚生を充実させることは、企業経営に必要不可欠です」

昨年のフォーブスのインタビューでは「いまだに”ビキニ姿で映画に出ている女の子”と見なされる」と苦笑していたアルバだが、今は人々にどう見られるかを気にしなくなったという。

「以前ほど意識しなくなりました。というより、振り回されることをやめたのです。私は力をつけ、自分にふさわしいポジションを手に入れました。一歩一歩進みながら、ずっとなりたかったリーダーになったのです」

そしてアルバは会場に集まった起業家や起業志望者に向かってこうアドバイスした。

「(何かを始める時には)大事なのは最終目標を頭に描きながら足を踏み入れること。そして去るその瞬間まで、自分に厳しくあり続けることです」