連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第3週「とにかく前に」第15回 10月20日(木)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎


写真入れを買ってくれる


麻田(市村正親)のすすめで、手芸品をつくって靴屋に一緒に置いてもらうことにしたすみれ(芳根京子)。
だが、かんたんにはいかない。麻田が連れてきてくれた女たちは興味をもってくれたものの、みんな赤ちゃんの世話に追われて手作り雑貨を購入する余裕なんてない(あとで明美/谷村美月に指摘される)。

店に来た4人が4人とも赤ちゃん背負っているのと、背後からそっと見守っていた麻田が、みんないなくなってしまったので焦りながらこそっとはけていく(舞台で言ったら上手方向へ)ところなどは舞台劇のよう。

そこへ外国人男性ジョン(新聞社の通訳)がやって来た。
ジョンを見て思わず出たすみれの「え・・・」の声が妙に低くておかしい。コメディエンヌのセンスがあるかも。
すみれが控えめな設定だからか、大阪局制作にしてはコミカルな表現が(忠さんのネタ以外)控えめな印象であるが、自分で作ったと動きで伝えるところはかわいかった。

ジョンはすみれのこの手芸を「趣味」とずばり、「ノーチャンス」とも言いながら(英語なのですみれは意味がたぶんわかってない)、写真入れを買ってくれる。
要するに同情だろう。
案の定というかなんというか、すみれは値段を考えてなかった。あまりにも世間を知らな過ぎるこういう人が、
次第にたくましく事業を展開していくのが、このドラマの面白さになっていくのだろう。

ちょうど、先日、91歳と88歳のご夫婦のお話を聞いていたら、戦後の闇市の描写を「とと姉ちゃん」から引き続き懐かしく見ているそうだ。そのご夫婦も戦後、やったことない商売をはじめて奥さんは最初は「いらっしゃい」を言うのも恥ずかしく接客が全然できなかったと言っていたが、その後ずっと60年近く商売を続けた。すみれもそうなっていくんだろうなあ。

エリーじゃなくてエイミー


 と「あさイチ」でネタ化していた「マッサン」(14年)で日本全国を号泣させたエリーことシャーロット・ケイト・フォックスが登場。ジョンの奥さんで病気療養中の設定で、「マッサン」の終盤を思い出した人も多いだろう。病気設定といえども、まばゆい表情が朝ドラヒロインOGの貫禄であった。

エイミーのためにおしめを縫ってるときのすみれは、ただ漠然とではなく、具体的に差し上げる人のことを考えながら「ひと針ひと針想いを込めて」作ることで、少女時代からの目標「想いのこもった別品」作りに一歩近づいたように見える。

だが、せっかくすみれがもってきたおしめに嫌悪感をあらわにするエイミー。いったい何が彼女を苛立たせたのか?
11回で西洋式と日本式のおしめの違いを学んだのではなかったのか、すみれ?
(木俣冬)