(写真提供=SPORTS KOREA)

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韓国で本日10月21日は、“警察の日”だ。今年で71周年を迎えたそうだが、韓国警察たちの表情は暗いという。最近はソウルで銃撃戦の末に警察官が殉職する事件を起こり、“警察の日”を迎えたものの祝福ムードはないのだ。

そもそも韓国の警察官は、一人当たりが担う国民数が452人と、他国に比べて相対的に高い。例えば、ドイツは一人当たり305人、フランス322人、アメリカ427人となっている。ちなみに、日本は韓国に比べてさらに高く、警察官一人当たりが担う国民数は485人だ(いずれも2016年7月基準、韓国警察庁)。

さらに過酷な“昇進戦争”

それだけに、韓国の警察官の負担は少なくない。

本庁・地方庁行政業務の人材、捜査・情報などの人材を除き、第一線で治安業務を担当する地域警察(交番や地区隊の人員)に限定すれば、一人当たり国民1100人を担うことになる。

昨年1年間、警察が受け付けた112番通報(日本の110番)は1910万4883件。一日平均、5万2342件だ。「112総合状況室」の定員が3898人なので、一人当たり、一日に13.4件の申告を受け付けていることになり、警察はこのうち1071万9174件で出動。一日平均2万9368件ほどになる程度だ。

人員不足ばかりが問題ではない。

警察官たちのストレスには“昇進戦争”もかかわっているという。

毎月の勤務評価と、それを基にした昇進審査・試験の影響で、実績を上げなければというストレスに悩まされる。

例えば、捜査を担当している警察官は、毎月事件の種類別(起訴中止、凶悪犯罪、主要企画捜査など)の検挙率と職務教育の履修、上層部の指示履行の実績などから評価を突きつけられる。

一方で、告訴・告発事件の処理期間が増えたり、被疑者の逃走、留置場事故、報告の原則違反などが発生したりすると、減点となってしまう。どうしてもピリピリせざるを得ないのだ。

当然のことだが、警察の世界も階級が上がるほど昇進の機会は減る。

韓国警察の階級と定員は、上から「治安総監」(1人)、「治安正監」(6人)、「治安監」(25人)、「警務官」(57人)、「総警」(532人)、「警正」(2436人)、「警監」(7807人)、「警衛」(1万5728人)、「警査」(2万4466人)、「警長」(2万9789人)、「巡警」(3万3138人)となっている。

末端である「巡警」がひとつ上の「警長」に昇進するためには1.11倍の競争率だが、「警衛」から「警監」の競争率は2.01倍、「警監」から「警正」は3.2倍と高まっていく。警察大学出身者や幹部候補生などが「警衛」「警監」からキャリアをスタートさせることを考えると、「巡査」たちの体感としてはさらに難しく感じるだろう。

警察庁の資料「2012〜2016年警察庁所属幹部の現況」によると、大部分の地方警察庁長である「治安監」や、次長クラスの「警務官」、第一線の警察署長である「総警」などの幹部たちは、警察大学出身者が過半数を占めているという。

「治安監」のうち警察大学出身の割合は、2012年の37%から2013年は33.3%に減少したが、初の警察大学出身の警察庁長が在任した2014年と2015年にそれぞれ46.2%、51.9%と跳ね上がっており、2016年も50%に達している。

韓国メディアの取材に答えた、とある総警は以下のように嘆く。

「警務官に昇る第一コースである総警のポジションは、ほぼ警察大学出身者が占めている。“警察大学の同窓会”の雰囲気がある会議に参加すると、窮屈さを感じてしまうほどだ」

こういった警察の現状について韓国ネット民たちも、「現場で苦労している警察官たちがもっと昇進できればいいのに…」「なんだかんだいっても警察の人たちがいないと夜も歩けない」「いつもご苦労様です」「警察大学を廃止して警察内部から警察大学に入れるような仕組みにするべきではないか」などと、同情しているようだ。

莫大な仕事量に年々激化する昇進争い。韓国の警察官たちが“警察の日”を喜べない理由はそんなところにあるのかもしれない。

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(文=S-KOREA編集部)