注射に変わる必需品となるか(画像はMedtronic MiniMed社プレスリリースより)

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米国食品医薬品局(FDA)は2016年9月28日、1型糖尿病の治療に使用できる、携帯可能な小型人工すい臓を、医療用機器として世界で初めて承認した。承認されたのは、米国のMedtronic MiniMed社が開発した「The 670G System」という装置。適応対象となるのは、14歳以上の1型糖尿病患者となっている。

1型糖尿病は、ウイルス感染などをきっかけに、すい臓にあるインスリンを分泌する「β細胞」が、自己免疫現象で破壊されてしまうことで発症する糖尿病。治療法は発見されておらず、インスリンが体内でまったく産生されなくなってしまうため、毎日注射をして体外から補給するという対処療法をおこなうしかない。

しかし、必要なインスリンの量を常に正確に判断する必要があり、投与量のわずかな違いによって患者が死亡する可能性や、常に注射を自分自身に打たなければいけないといった身体的負担から、注射にかわるインスリン補給方法が求められていた。

The 670G Systemには皮下に埋め込むグルコースセンサーが搭載されており、リアルタイムに患者の血糖値をモニタリングする。低い場合はインスリン投与量を減らしたり、投与を停止し、高い場合は必要な量のインスリンを計測して投与する。

承認にあたっては、FDAが1型糖尿病患者123人を対象とした研究データを査読し、さらに3か月以上の臨床試験を実施。血糖値の安定化はもちろん、重篤な副作用なども発生しておらず、有効性と安全性は十分に確認されたとしている。

ただし、7〜13歳までの子どもでの使用はまだ確認されておらず、小児での使用は許可されていない。さらに、ディスプレイを見てインスリン数値を確認したり、アラームによる警告音を聞き取る必要があるため、視覚、聴覚に問題がある患者でも使用は認められないという。

(Aging Style)