原点回帰してサイド攻撃を重視。3-0で勝ったU-19日本代表は24日の準々決勝で5大会ぶりとなるU-20W杯出場権を勝ち取る

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[10.20 AFC U-19選手権GL第3節 日本 3-0 カタール]

 土壇場で彼らは強かった。AFC U-19選手権グループステージ第3戦。勝たねばほぼ終わるという厳しい条件下だったが、「開き直ってやるしかない」という坂井大将(大分)の事前の宣言どおり、日本は立ち上がりからアグレッシブな姿勢を貫徹していった。

 特に初先発のFW岩崎悠人(京都橘高)、MF市丸瑞希(G大阪)、DF藤谷壮(神戸)の3選手が臆することなく前向きな姿勢を出したのが大きかった。縦へ加速しながら流れをつかむと、14分にはMF三好康児(川崎F)のアーリークロスからFW小川航基(磐田)が狙う形で、カタールDFが処理をミス。この迂闊なプレーを岩崎が見逃さず、早くも先制点を奪い取った。

 続く18分にはDF舩木翔(C大阪U-18)の、これまたアーリークロスを小川がヘッドで合わせる。惜しくもゴールバーに阻まれたが、過去2戦で余り観られなかったシンプルな(そして効果的な)攻めでカタール守備陣を脅かし続けた。30分にDF中山雄太(柏)のCKからの得点が取り消され、その直後に集中が途切れたスキをつかれるピンチもあったが、これもGK小島亨介(早稲田大)が阻止。「亨介くんに助けられた」(DF冨安健洋=福岡)ことで、相手に流れを渡すことなく逆に45分には三好が目の覚めるような鋭い一撃をミドルレンジから叩き込み、2-0とリードを広げて前半を終えた。

 後半の立ち上がりこそ相手に主導権を奪われる難しい時間帯になり、「ここで主導権を奪い返せるようになれば」(市丸)という反省点も出たが、それでも17分、逆に後半初めての決定機とシュートで3点目を奪い取った。FKから小川のヘッドはポストに嫌われるも、こぼれ球を冨安がプッシュ。「思い切り蹴り込むだけでした」と守備の要の大男が微笑む一撃で試合はほぼ決まった。

 ここまで苦戦が続いてきた。イラン戦では攻めながら無得点に終わり、「少し雰囲気は悪くなった」とMF堂安律(G大阪)も振り返る。だが、そうした中であらためてチームは原点回帰。「自分も少ないと思っていた」(堂安)という、ずっと練習してきたサイド攻撃の形をあらためて事前の練習で確認し、「チームの過去のいい得点シーンを見せた」(内山篤監督)と映像でイメージも醸成。それが実っての3-0での勝利は大きな意味がある。

「今日のゲームに関しては手ごたえがあります」と内山監督は笑顔を浮かべた。複数の選手がゴールまでのイメージを共有することはずっと取り組んできた形。これまでは「攻めに行く=感情をコントロールできないというふうになってしまう選手がいた」(同監督)が、今回は冷静に周りを見えている状態の中で、しっかり練習の成果を表現できた。今回以上のプレッシャーにさらされることになる準々決勝を見据えても、ポジティブな材料を得たと言えるだろう。

 ここから準々決勝までは中3日。チームは試合翌日に現地入りしてから初めてのオフを迎えて英気を養いつつ、5大会ぶりとなるU-20W杯切符を懸けた決戦に備えることになる。

(取材・文 川端暁彦)