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●「変革を始めよう」とメッセージ
米Dell Technologiesは、10月18日〜20日(現地時間)、米テキサス州 オースティンで「Dell EMC World」を開催した。今回のイベントでは、9月にDellとEMCが合体した新会社「Dell Technologies」が誕生して間もないだけに、同社がどんなメッセージを発信するか注目された。

10月19日のオープニングキーノートでは同社会長兼CEOのマイケル・デル(Michael Dell)氏が登壇。同氏はまず、今回のイベントのテーマである「LET THE TRNASFORMATION BEGIN(変革を始めよう)」について、次のように説明した。

「(DellとEMCの統合によって)Dell Technologiesは、世界で一番大きなITカンパニーになった。Dellはこれまでテクノロジーの民主化を行い、その力を広めてきた。その結果、テクノロジーは我々の生活の中心にまで広まり、新たなテクノロジーを開発すれば、我々の進化を増幅し、生活を向上させている。ただ、この旅路は始まったばかりだ。今後はありとあらゆる物理的な世界にインテリジェンスが埋め込まれるようになる。現在は80億のデバイスがインターネットに接続されているが、15年後には、その数が2000億になるのではないかといわれている。これは、世界の人口の25倍もの数だ。それらが新しい情報を生み出し、その情報を使うことによって、知見や洞察が得られ、世の中を良くしていくことができる。それは、歴史上一番大きなチャンスにもなる。そして、これがイノベーションの原動力になる。処理性能は5年ごとに10倍となり、15年後には現在の能力の1000倍になる。そうなれば、自動運転が当たり前になり交通事故もなくなるだろう。また、ドローンによる宅配により、翌日の配送では遅いという時代になるかもしれない。あるいは、今ではまったく想像できないようなイノベーションが生まれるだろう。それがIoTの世界で、第3の産業革命ともいわれている。これは、新しいデジタル時代の夜明けだ。それに向かって我々も変わっていかなければならず、その変化をうまく活用しなければならない」(マイケル・デル氏)

そして、続けて同氏は同社が行った企業アンケートを紹介し、「企業の45%は、3-5年後には生き残っていないかもしれないと考え、48%は3年後に業界がどうなっているかわからないと回答している。また、78%の企業がスタートアップ企業が脅威であると答えている。こういったデジタルの脅威や恐怖はどんどん近づいており、将来は自分たちが準備できていてもいなくても待っていてくれない。そのため、Dell Technologiesを設立した。Dell Technologiesは次の産業革命に備えるためのインフラを提供できる企業で、デジタル産業革命を引っ張っていく」と、Dell Technologiesを作ったのは、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するためだとした。

同氏は講演の中で、デジタル変革の中核に来るのはクラウドで、ハイブリッドクラウドが重要だとし、次のように述べた。

「クラウドはあくまで運用モデルでしかなく、場所ではない。大事なのはパラレルクラウドも使う、複数のパブリッククラウドも使うというハイブリッドクラウドだ」(マイケル・デル氏)

同氏によれば、こういった次世代のクラウド環境を構築するためには、3つのステップがあるという。

1つ目はデータセンターの近代化、2つ目はIT部門のプロセスの自動化、そして3つ目がIT部門の変革(サービスプロバイダにようになる必要がある)だという。そして、この3つのステップにおいては、DellとEMCの統合により、互いの製品が補完しあうことで、顧客の変革を後押しできると強調した。

具体的には、次のように説明した。

「データセンターの近代化では、ストレージやサーバ、バックアップなどにフラッシュが利用され、スケールアウト型でSoftware Defined型のアーキテクチャインフラであることが必要だ。Dell EMCはこのようなアーキテクチャを持ったコンバージドインフラをもっており、もっとも優位な立場にある。また、自動化については、VMwareが活躍する。すでに50万のカスタマーがソフトウェア定義型のデータセンター運用している。ここではインフラをプログラマブルな環境にし、自動化している。さらにすべてを接続する上では、データの価値やシステムの価値があがっていくので、セキュリティが重要だ。この分野ではRSA、SecureWorksなどでセキュリティ課題を解決していく」(マイケル・デル氏)

また、同氏はデジタルトランスフォーメーションのためには。クライアントソリュションも重要だとした。

「PC事業はDell Technologiesにとって重要な事業で戦略の中核だ。PCは世の中のコンピュータファブリックに統合されており、IoTでは、エッジの部分でイノベーションが起きている。そのような世界でのユーザー体験や職場環境を考えれば、クライアントソリューションビジネスが重要であることがわかる」(マイケル・デル氏)

そして最後に「デルのEMCの統合によって世の中にプラスの変革を起こしていきたい。世の中の進化の中心にはDell Technologiesがいる」と語り、講演を締めくくった。

●両社の技術を統合した初の製品を発表
キーノートの中でマイケル・デル氏は、次世代のクラウド環境を構築するためには、近代化、自動化、変革の3つのステップがあると説明したが、続いて登壇したDell EMC President Infrastructure Solutions Group David Goulden氏は、近代化するための近道だと紹介したのが、PowerEdgeサーバベースの新しいコンバージドインフラで、3RUの筐体の「VxRail」とラック型の「VxRack」だ。これらは、両社の技術を統合した初の製品となる。

新しいVxRailは、200のバーチャルマシンに対応し、CPUは108コア、メモリは2.4TB、フラッシュストレージは90TBを搭載し、価格は5万ドル以下だという。

David Goulden氏は、「インフラの中でも一番伸びしろがあるのがコンバージドインフラだ。VxRailはサーバとストレージを一緒に管理でき、SANシステムに比べ管理コストを3割縮小することができる」とした。

また、スケールアウト型NASの新製品として、オールフラッシュの「Isilon」も発表した。この製品はHDD型のIsilonと比較して、スループットや密度がそれぞれ10倍になるという。さらに100PBが1ファイルシステムで実現できるようになったという。

(丸山篤)