プリウスPHV(「Wikipedia」より)

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 トヨタ自動車の新型プリウスPHV(プラグインハイブリッド車)は、充電ができるHV(ハイブリッド車)である。ただし、充電しなくとも走れるので、充電設備がない家でも使え、充電を忘れても心配なく、電池の電気がなくなっても走れる。電欠の心配のないEV(電気自動車)ということもできる。

 充電方法は、自宅の100Vのコンセントから、工事して付けた200Vの専用コンセントから、あるいは道の駅や高速道路のサービスエリア(SA)の急速充電器からと、さまざまある。

 ただし、100Vのコンセントはどの家庭にもあるので便利だが、満充電には14時間かかる。夜8時から充電を始めて満充電にするには朝10時まで待たなければならない。通勤に使うには間に合わない人もいる。そこで2つ手がある。

 ひとつは14時間も充電しないで、たとえば家を出る6時にプラグを抜く。これだと10時間の充電なので、満充電の70%ほどの充電となる。EV(電気自動車)としての走行距離は、JC08モード燃費(国土交通省審査値)で60kmの70%に当たる42kmほどとなる。

 実際には、42kmの6割の25kmほどかもしれないが、平均的な自動車通勤者にとっては満足できる距離ではないだろうか。ただし、帰宅時もEV状態で走りたいのであれば、会社で充電しておく必要があるだろう。

●200Vであれば2時間20分で満充電

 もうひとつは専用のコンセントを取り付けて、200Vで充電するという方法である。2時間20分で満充電となる。ただし、16Aと流れる電流が多いので、家電をあまり使わない深夜の充電をお薦めする。200Vで満充電しておけば、会社で充電せずとも、帰りもEV状態で走れるチャンスが広がる。

 もちろんEVも200Vで充電可能だ。そこで三菱自動車工業や日産自動車の研究所や工場では、200Vのコンセントを社員用駐車場に設けて、走行時の二酸化炭素(CO2)削減のためにEVでの通勤を奨励している。しかも、研究所や工場の玄関に近い一等地にコンセントを設けているので、大変に便利である。

●急速充電であれば20分で満充電

 新型プリウスPHVは、ロングドライブや出先で急速充電もできる。50kWの充電器であれば、20分で満充電の80%、7kWhの電力量が充電可能だ。およそ48kmのEV走行が可能だ。ただし、充電が終わったら早急に充電器から離れることと、後方に充電待ちのEVが来たら充電器をゆずる配慮が必要だろう。

 ちなみに急速充電が可能なPHVは、三菱アウトランダーPHEVと今冬に発売になるプリウスPHVだけである。最近、怒涛の勢いで輸入されているドイツを中心にしたヨーロッパのPHVは、いずれも急速充電はできない。

●1カ月の燃料代は840円
 
 満充電の8.8 kWhの充電をすると、30A契約で、月に300kWh使う家庭の場合、東京電力だと電気代はおよそ220円である。これで60km走れるから(JC08モード)、1km当たりの燃料代(=電気代)は3.36円となる。深夜電力契約をすると、約半分の1km当たり1.68円だ。

 通勤距離が往復で1日40kmの場合の燃料代は、1日67.2円である。1カ月に500kmをEV状態で走り、深夜電力契約で充電すると、1カ月の燃料代は840円となる。ガソリン代が1L当たり110円とすると、リッター20Kmの中型HVで、1km当たり5.5円。リッター40kmも走るプリウスHVの最高燃費車では、1km当たり2.75円である。

 どれを選ぶかは、ライフスタイルと充電が好きか嫌いかによるのだが、CO2排出量には違いがある。
(文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表)