若者の恋愛離れ、セックスレスが話題になっている。

 ただ「日本家族計画協会」の2015年調査によると、セックス経験率が半数を超える年齢は、男性が20歳、女性は19歳。そこまで危機的かどうかは疑問だ。

 一方、中高年のセックスライフはどうだろう。

 少々古いが、「日本性科学会」が11〜12年に40〜79歳の配偶者がいる男女を対象に実施した調査では、1999〜2000年に実施した同じ調査の結果より、セックスレスが増加した。

 2000年調査では、全回答者の52.7%が「月に1回以上の性交渉あり」だったのに対し、12年調査では23.5%、4人に1人に低下していたのである。

 たとえば、40代の男性は前回の72.6%が41.4%へ、50代男性は65.3%が14.4%にまで落ち込んだ。女性の40代は66.3%から45.4%へ、50代は54.5%が23.5%へ低下した。

 また、挿入をともなわない性交渉を含め「過去1年間、全くない」と回答したのは、40代の男女とも約3割、50代では半数近くが「没交渉」だった。

 一方で「月に2、3回マスターベーションをしている」男女は、いずれの年代でも増加した。欲望の灯が消えたわけではないのだ。

 最近は、セックスと中高年の認知機能との関連に注目した研究報告が増えている。

 先日報告された英国の50〜89歳の男女を対象とした調査では、「過去1年間に性交渉があった」男性は、「没交渉」の男性と比べ、目標達成のための瞬間的な認知・判断力を評価する「数値配列」検査と、短期記憶を評価する「単語想起」検査で、有意に高いスコアを記録した。女性は数値配列検査のスコアのみが「性交渉あり」群で有意に高かった。

 研究者は、「性交渉で放出される神経伝達物質、たとえば快の感覚に関係するドーパミンやオキシトシンが認知機能を強化するのでは」と述べている。

 認知症の予防目的で愛をささやくのは逆効果になりそうだが、スキンシップを増やすくらいは互いに努力したい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)