大門未知子は実在しうるが「極めて特殊な例になる」といえそうだ

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テレビドラマ『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』の視聴率が好調なようだ。米倉涼子氏が演じる大門未知子というフリーランスの天才外科医が、既存の権威主義的な医療界で痛快に活躍する物語だ。現在の日本の医療界では、大門未知子のようなフリーランス外科医は活躍しているのだろうか、また今後、増えるのだろうか。(多摩大学大学院教授、医師 真野俊樹)

「ドクターX」は再び大人気
現実に日本で活躍できるのか?

 シリーズ第4作となる、『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』の第1話が10月13日に放送され、平均視聴率20.4%(ビデオリサーチ調べ)をマークしたという。

「私、失敗しないので」「いたしません」などの名セリフで有名だが、果たしてドクターXは日本で活躍できるのであろうか?

「失敗しないこと」を担保するには、高度な技術がいるし、「断る」ことができるのには組織やチームに属していないことが条件(属していてもやめることが容易)になる。

 番組は、相変わらずの人気であるが、最近、大門未知子ばりのフリーランス医師という言葉を聞くようになった方も多いと思う。

医局の人事権崩壊で
フリーランス医師が増加

 フリーランス――。保守的な業界や医療界の場合、あまりいい響きではないのかもしれない。定職を持たない、常勤の勤務先がない、というイメージがあるからだ。しかし一方、高度専門職の場合には、フリーランスはマイナスばかりではない。自らの高度な技量を、市場原理に則った価格で販売し、対価を得る。さらに、会社の「社畜」にならず自由も獲得する。

 大門未知子のドラマに人気が出るのは、自由と金の両方を獲得している爽快さ、にあると思う。実際、高度専門職である医師にもフリーランス医師が増加してきた。

 山崎豊子の名作「白い巨塔」に描かれたように、医療界には大学病院の教授を頂点とするヒエラルキーのある組織、「医局」が存在した。教授は医師の人事権を握っていたために、医局の存在が極めて大きく、フリーランス医師は存在しにくかった。

 ところが、2004年4月に医師の研修制度が変更となり、研修先の病院は研修医が自ら選べるようになるなど、医局の人事権が崩壊したために、現在はフリーランス医師が生まれやすくなっている。

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