まさかの(失礼)初優勝を全勝で飾った大関豪栄道(30)。
 秋場所が終わって2週間以上が経過し、秋巡業が始まった。それでもいまだに豪栄道フィーバーが続いている。
 「優勝してすぐ出身地の大阪に凱旋し、松井一郎府知事を表敬訪問したんですが、86年ぶりの大阪出身力士の優勝ということで、オリンピックの金メダリストもかくや、というような騒ぎでした。秋巡業でも、どこに行っても周りは黒山の人だかり。今後も優勝パレードが、母校である埼玉栄高校周辺と、出身地である大阪・寝屋川市の2カ所で行われる予定で、いまや大相撲界一のモテモテ力士です」(担当記者)

 おかげで秋場所後も、ゆっくり体を休める時間などないようだ。
 「昨日の晩、ようやくゆっくりできました」
 10月3日に両国国技館で行われた全日本力士選士権に出場したとき、苦笑いしていた豪栄道。

 この異常なフィーバーで思い出されるのは、今年の初場所、10年ぶりの日本人優勝を果たした大関琴奨菊(32)のことだ。このときのモテ男ぶりもすごかった。なにしろ春場所の番付発表までの約1カ月間、テレビやイベントなどの出演が相次ぎ、休息したのはわずか1日だけという多忙ぶり。
 「どこに行っても、いろんな人に声をかけてもらった。休めなかったけど、全然、疲労感はない。むしろ気力をたくさんもらった」
 と、琴奨菊は多忙をプラス思考でとらえ、来たる春場所、初の綱取りに挑んだ。が、8勝7敗と勝ち越すのがやっと。千秋楽、「どっかで、どっかのネジが抜けてしまった」と頭を抱えていたのは記憶に新しい。

 果たして、豪栄道は大丈夫か。同じ大関、日本人優勝力士と、条件はダブるが…。
 「経験のないことばっかりなんで、そういう意味では正直言って戸惑いはある。でも、勘違いしないように生きていきますよ」
 と、この突然の人気沸騰も自分に言い聞かせ、平常心を保つのに余念がない様子だ。8月の夏巡業でしっかり稽古したことが9月の秋場所の活躍を生んだだけに、秋巡業でも初日から体を動かすなど精力的に取り組んできた。
 「疲れはまだあるけど、1日1日を無駄にせず仕上げていきたい。(巡業のある)偶数月にしっかりやることが本場所につながる」

 ナゼか優勝の翌場所潰れる日本人大関だが、今回こそ“綱獲り”に期待。豪栄道の全勝優勝がフロックでないことを祈りたい。