顆粒だしはマズくない。でも「無添加」には要注意です

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 冷凍ダシより、おいしいです。

 時短料理を支える基本アイテムと言えば、「顆粒だしの素」。かつお、いりこ、昆布、鶏ガラ…最近の「あごだし」ブームもあって、ますます商品バリエーションが増えています。しかし、ホンモノと比べて「おいしくない」、「使っていることを言いづらい」といったネガティブイメージを持つことも。

 いやいや、それは大きな偏見! 顆粒だしは、ホンモノだしの冷凍よりも数段に美味なんです! そこで今回は、顆粒だしを賢く活用するためにおさえるべき3ポイントをご紹介。だし顆粒の強み・弱みをしっかり知れば、美味しい料理がカンタンに作れてしまいますよ!

◆(1)「無添加」の意味を正しく知る

 パッケージに「無添加」と書かれている方がおいしい、だなんて考えていませんか? 実はそういう単純理解で失敗するケースも。

 そもそも「無添加」という表記は、グルタミン酸ナトリウム(味の素でおなじみ)などの「うま味調味料(化学調味料と言われることも)」を使用しなければ、記載可能。

 でも、うま味調味料を使っていなくても、「たん白加水分解物」や「酵母エキス」のような素人ではよくわからない「人工調味料」が入っているケースが多く、本来ないはずの「不自然な旨味」がバッチリ添加されています。

 むしろ重要なのは、料理のおいしさを左右する「食塩」の方。

 このだし顆粒には塩分が添加されていませんが、塩添加の場合、なんと顆粒の40%が塩分。これは、ホンモノだしの5〜10倍の塩分量で、このようなものを使って味噌汁を作ると、加える味噌の分量がおかしくなってしまいます。

 もしくは、レシピ通りに作って「なんだかしょっぱい」と感じる事態に。塩添加のだし顆粒を使い慣れていない場合は、「食塩無添加」を選ぶ方が賢明です。

◆(2)だし顆粒を組み合わせる⇒旨味の相乗効果を知る

だしの旨味成分は食材によって異なり、大まかに区分すると以下のように。

●かつお、いりこ、あご⇒イノシン酸
●昆布⇒グルタミン酸
●椎茸⇒グアニル酸
●貝⇒コハク酸

「合わせだし」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、この効果は想像以上。複数の旨味成分を合わせると、1+1=2ではなく、何倍にも旨味がアップすることがわかっています(旨味の相乗効果)。いわゆる「一番だし」とは、かつおと昆布のあわせ技によるものですが、コンブは自らが表に出すぎることなく、相手を引き立ててくれるので、合わせるべき。

 他にも、貝のだし「ホタテ」は独特の旨味を持つため、どれと合わせても秀逸です。だし小さじ1を使うなら、2種を半々に入れてみましょう。

◆(3)香味食材と合わせる

 だし顆粒の弱点としては、「香り」。インスタントコーヒーや缶コーヒーを想像すれば容易かもしれません。引き立てのだしには到底かなわないため、食べた時、コク(旨味)は感じるものの、なんとなくメリハリのない味に仕上がってしまいます。

 その解決策としては、「香味食材」の力を借りるというもの。例えばきのこご飯。あごだし+こんぶだしを加え、隠し味程度に「生姜のすりおろし」を加えて炊いてみて。だしの旨味と生姜の香りが組み合わさることで、全体的に奥行ある味わいに! この他、ネギ、にんにく、ごま油なども有効です。

 インスタントだし、侮るなかれ。上手に使って料理を楽しみましょう!

<TEXT,PHOTO/スギアカツキ>
【スギ アカツキ】
東大卒の食文化研究家。長寿美容食研究家。在学中に基礎医学や生命科学を学ぶ。さらにオーガニックや久司マクロビオティックを学び、独自で料理研究をはじめる。モットーは「長く美しくを、簡単に」。忙しい現代女性に合わせた健康メニューが得意。ヨガ教室や人気ブログ(http://saqai.com/)も手がけている。