「舟を編む」今夜2話。校閲やら辞書編集やら出版社ものがなぜかブーム

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三浦しをんの小説『舟を編む』がフジテレビの「ノイタミナ」枠でアニメ化され、先週から放送を開始している。

『舟を編む』は出版社の辞書編集部を舞台にした物語。累計発行部数120万部、2012年の本屋大賞に輝いたベストセラーだ。2013年には、松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー主演で映画化された。


コミックやラノベ原作ではなく、文学を原作としたアニメとしては前クールの朝井リョウ原作『チア男子!!』に続くもの。また、今年はコミック編集部を舞台にしたドラマ『重版出来!』、校閲部を舞台にしたドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』と“出版社もの”が並んでいる。出版社ブームが来ているのだろうか?

主人公は、玄武書房辞書編集部に在籍する馬締(まじめ)光也(演:櫻井孝宏)。名前のとおり、真面目だけが取り柄で、営業部に在籍していた頃は浮いていた存在だったが、言葉へのマニアックなこだわりと鋭敏なセンスが見込まれて、辞書編集部に異動する。長身でメガネ、ボサボサの髪が特徴。

辞書編集部で馬締の同僚になるのが、西岡正志(演:神谷浩史)。馬締とは正反対の性格であり、きわめて社交的で抜け目のない人物。一方、辞書や日本語への関心は薄い。原作では軽薄な描写が多かったが、アニメでは切れ者風に描かれている。

物語は馬締と西岡、そして馬締の下宿にやってくる美女・香具矢(演:坂本真綾)の3人を軸に進んでいく。というか、櫻井孝宏と神谷浩史と坂本真綾の共演というだけでお腹いっぱい!

アニメは全体に「まじめ」な作りという印象。原作のユーモラスな面は控えめで、辞書作りという難事業に挑む人々の姿を、静かに、力強く描いていく。壮大な音楽の効果もあって、どこか池井戸潤原作のドラマのようでもある。

象徴的に使われているのが観覧車だ。第1話のオープニングでは、馬締と香久矢が見つめるシーンがある。また、OPの映像にも観覧車のシルエットが登場する。観覧車は「静かに持続するエネルギーを秘めた遊具」(原作より)であり、辞書作りに賭ける馬締の内面を表している。

もう一つ、原作では馬締と香具矢の不器用すぎる恋愛がストーリーの大きな軸になっていたのだが、アニメは馬締と西岡のパートナーシップが大きな軸になっているように見える。キャストのビリングや馬締と西岡を中心にしたOP映像からもそのことが伺える。

本日放送の第2話「逢着」では、香具矢が登場。今後、馬締と香具矢の不器用きわまりない関係がどのように描かれるのかが楽しみだ。
(大山くまお)