記者C ハリルホジッチ監督は、「本田のパフォーマンスが良かったら勝てた」みたいなことを言っていたけど、あの真意は?
 
記者B あれには前段階があった。「クラブで試合に出ていて、コンディションが良ければ、もっと活躍できたはずだ」というのが真意だった。
 
――ただ、その本田へのコメント以外でも、「若い選手がプレッシャーに負けてしまうんじゃないかと思って使わなかった」など、ネガティブな印象を持たれてしまう発言は少なくないですね。
 
記者A 本当にそう。だったら、なぜ齋藤学を呼んだのか。オーストラリア戦の終盤に起用したのが、丸山だったからね。あのポジションで使うのは丸山じゃないし、加えて丸山も代表デビュー戦だった。経験が浅いという意味では、齋藤と同じだから。
 
記者C 丸山の試合後の反応は?
 
記者B 選手が撤収するのが早くて、話は聞けなかった。でも、個人的な意見を言うと、あそこは丸山でもいいのかなと思った。ハリルホジッチ監督は、引き分けOKの采配だったから。
記者A 俺はそもそも、オーストラリア戦は引き分けでOKとは思っていなかった。まあ、ハリルホジッチ監督は引き分け狙いの采配をしたけど、それにしても丸山はないかな。CBに入れるなら分かるよ。でもウイングに置いたでしょ。
 
記者C ロングボールを放り込まれた時に競り合えるポジションではないし、本当にセットプレーの時しか持ち味を発揮できないからね。

――ここまでの話を聞くと、ハリルジッチ監督の手腕や采配に懐疑的な印象を受けますが?
 
記者A 懐疑的というより、余裕がないなと。アルジェリアをワールドカップで躍進させた監督だし、クラブでの実績もある。それにも関わらずプレッシャーに追い詰められているところに、少し驚きがある。
 
記者C 監督の手腕もそうだけど、日本代表のチーム力も落ちているよ。2年前のアジアカップのイラク戦は、1-0だけど内容は圧倒していた。PK戦で負けた準々決勝のUAE戦も、内容では明らかに日本が押していた。そこから1年かそこらで、こんなにも変わるのかと驚く。
 
記者A アジアカップのグループリーグは、完全に横綱相撲で、絶対に優勝するなと思った。そういう意味では、アジアカップの準々決勝のUAE戦での敗退が、歯車を狂わせたのかな。選手の自信を失わせる一戦だったのかもしれない。あの試合以降、「日本強いな!」と感じたことはほとんどない。
 
――監督だけでなく、選手にも問題はあると?
 
記者A そう思う。アジアカップまで指揮を執ったアギーレ前監督の話をすると、やっぱりチームの作り方は上手かった。アジアカップ前に遠藤を復帰させて本当にベストの選手を連れて行って、上手くチームに当てはめた。アギーレ前監督は優秀なセレクターだったね。
 
――対してアジアカップ後に就任したハリルホジッチ監督は?
 
記者A 同じ選手を招集して自分の戦術にはめようとする姿勢を見ていると、ちょっとアギーレ前監督とは違うかなと。チームとしても、アジアカップの頃よりは断然弱くなっている。アジアカップのイラク戦やUAE戦は、今回の最終予選のような感じではまったくなかった。
――日本が弱くなったのはなぜでしょう? 主力選手のクラブでの出場機会が減ってきた影響でしょうか。それとも監督の手腕の影響のほうが大きいですか?
 
記者B やっぱり選手の出場機会が減ったのはきつい。イラク戦の本田のプレーを見てもそうだけど、試合勘は欠けていたから。
 
記者A 原口があれだけ動けて良いプレーができるのは、クラブで出場していることと無関係ではないからね。メンタル面もそうなんじゃないかな。原口は自信を持ってプレーしているけど、香川とかは……。本人がどう思っているかは分からないけど、精神的な部分も影響しているとは感じる。