電通の東京本社が、従業員の過労死で強制捜査を受けたことについて、『毎日5分! 経済英語NEWS!』の著者・八木翼さんが分析しています。

先日、日本人の若者の過労死は、

・日本企業の労働力不足(人口減少による)

・日本企業の競争力不足

の両面からの問題であるという記事を掲載しました。

そんな中、日本は、電通に強制捜査を入れ、過労死について徹底的に管理するような姿勢を見せていますね。

私はいつも、日本の事件が海外でどのように報道されているかに興味があるので、日本のカテゴリーを見るのですが、この事件に関しては、Financial Timesの1面に載っていました。

(そもそも日本のニュースが載るのは珍しいのですが。。。)それだけこの事件が特異ということですね。

ニュースを見てみましょう。

ニュース本文と和訳

【Dentsu’s Tokyo HQ raided over worker’s suicide】

電通の東京本社、過労死で強制捜査

(1)

The Tokyo headquarters of Dentsu - the sprawling advertising agency embroiled in an overbilling scandal - has been raided by officials investigating the suicide of an employee.

壮大な広告会社で、超過請求のスキャンダルに巻き込まれた電通の東京本社は、会社員の自殺を調査する警察の強制捜査を受けた。

(2)

“It’s unusual that the raids were carried out without notice and at several locations at the same time,” said Yutaka Iwaki, a lawyer who works on karoshi cases.

事前の告知やいくつもの場所で同時の強制捜査が実施されるのは、一般的ではないと、過労死の件で働く弁護士のYutaka Iwakiは述べた。

(3)

“This incident was shocking for the public, because Dentsu is a leading Japanese company, which is why the government deemed it as a case that it could not ignore.”

この事件は、電通が一流企業であることで、政府が無視できない事件であるとみなしたことが、国民にもショックを与えた。

(4)

Legal claims arising from karoshi deaths rose to a record in 2015, across a broad sweep of industries from the IT sector to manufacturing.

過労死から生じる法的要求は、ITから製造業まで、幅広い産業で、2015年には過去最大にまで上昇している。

(5)

The deaths of staff at big-name companies like Toyota have been officially ascribed to karoshi, in many cases shining a light on a culture where companies have no way of evaluating staff performance beyond counting the hours of overtime worked.

トヨタのような大企業のスタッフの死亡は、多くの件で、過労死に起因すると公的にされてきており、これが、会社が、時間外労働を数えることを超えて、スタッフのパフォーマンスを評価する方法がない文化に、光を当てている。

(一部引用 Financial Times: by: Leo Lewis and Kana Inagaki in Tokyo)

経済コラム

日本というのは非常に平等を重んじる国ですので、アメリカのように、能力主義がピタッと当てはまらないと思うんですよね。私は、この能力主義というものに若干懐疑的です。

ブラックスワンのように、想定していなかったことに対して、想定以上の働きをするけれども、普段はダメダメな人。

普段の管理はしっかりできるけれども、想定外の事象には脆弱な人。色々いると思うんです。

評価方法が定着しないのはそこが原因でしょう。

ボルトを誰が一番早く締められるかという、単純な問題を扱っている仕事は、現代社会にはほぼないのです。

過労死も過労死で問題です。私も会社を辞めたことがある人間ですので、気持ちは良く分かります。

私のtweetを載せておきます。

電通の事件もそうなんだけど、多くの人は降りる技術がない。

麻雀に例えるなら、電通のようなエリートは、

いい配牌だったといえる。

面白いように手が延びていき、最後の最後、振り込んじゃいけないと

分かっていても降りることができなかった。

こんなに頑張って積み上げてきたから。

みんな辞めればいいって簡単に言うでしょ?

命より大事なものなんてないって。

けどね、あれは他人から見た綺麗事なんだよ。

自分の命を削って積み上げて来たものが、

全部崩れようとするその恐怖の前では、

命に価値があるなんて思えなくなるんだよ。

ちなみに私は、70、80人いた同期の中で、一番早く退職した人間です。

私も同じような気持ちになりました。

今ではやはり、辞めて正解だったんだなと思います。

image by: Shutterstock

 

『毎日5分! 経済英語NEWS!』より一部抜粋

著者/八木翼

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出典元:まぐまぐニュース!