マレーシア系デパート・パークソンの相次ぐ閉店に続き、日系総合スーパーのイトーヨーカ堂も閉店ペースが止まらなくなった。一般店舗も基幹店舗も閉店し、デパートの閉店ラッシュが深刻化する背景には、百貨店業態全体の低迷傾向がある。資料写真。

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マレーシア系デパート・パークソンの相次ぐ閉店に続き、日系総合スーパーのイトーヨーカ堂も閉店ペースが止まらなくなった。一般店舗も基幹店舗も閉店し、デパートの閉店ラッシュが深刻化する背景には、百貨店業態全体の低迷傾向がある。中国経済網が伝えた。

ヨーカ堂の中国1番店は十里堡店だ。

ヨーカ堂の社員は、「ヨーカ堂も他のデパートも、ここ数年は多くの店舗が閉店になり、十里堡店の経営状態もそれほど好調ではないことはわかっていたが、まさか閉店の話が出てすぐに閉店になるとは思わなかった」と話す。

ヨーカ堂十里堡店の閉店について、凌雁管理諮詢のチーフコンサルタント林岳さんは、「中国1番店の閉店がもつ意味は深長だ。この長年にわたって営業してきたシンボル的意義を持つ店舗も閉店の運命から逃れられないとすれば、ヨーカ堂の目下の歩みがどれほど困難なものであるかは想像がつく」と話す。

低迷する局面に向き合って、ヨーカ堂の三枝富博・中国総代表は中国事業の調整をたびたび行い、業績が好調だった成都イトーヨーカ堂の今井誠社長を北京華糖ヨーカ堂に送り込み、北京事業全体の立て直しをはかろうとしてきた。

今井社長は当時、「北京エリアの残りの店舗はすべてが黒字ではなく、今後引き続き閉店に踏み切る可能性は否定できない」としていた。予想通り、右安門店が昨年に閉店を明らかにした。

その後、ヨーカ堂は生き残るために別の方法を打ち出した。当時の企画広報部の責任者がメディアに語ったところによると、右安門店が最後に閉店する店舗になるということだった。三枝総代表も、「3年計画を制定して、北京のヨーカ堂の再生をはかる」としていた。

だが今年7月に閉店した大興店もまもなく閉店する新十里堡店も「約束を破った」。こうしてヨーカ堂の北京店舗は豊台北路店と亜運村店の総合スーパー2店舗と三里屯の食品館が残るだけになった。

前出の社員は、「黒字ではないが、今のところこの3店舗の閉鎖はないと思う」と話す。

だが社員の楽観的な見方とは異なり、林コンサルタントは、「ヨーカ堂の最大の問題はモデル転換や変革のスピードが遅すぎ、中国人の消費習慣に対する洞察力が低いことだ。現在の状況をみると、ヨーカ堂の残りの店舗は非常に厳しい状態にあり、中国での現状には懸念を覚えざるを得ない」と話す。

▽救済は容易ではない

実際のところ、ヨーカ堂は中国でも本拠地の日本でも戦線縮小を続けている。

さきに日本メディアが伝えたところによると、セブン&アイ・ホールディングスは2019年度(2020年2月まで)までに、傘下のヨーカ堂の日本国内店舗40店を閉店させる予定で、これはヨーカ堂の日本店舗の22%にあたる。新店舗開店のペースは1年に1店前後に抑えるともしている。

同じグループのコンビニエンスストアのセブン-イレブンは、大規模な拡張を続けている。企業の運命がこのように異なるものとなった主な原因は、業態によって運命が異なることにある。

百貨店という業態の低迷は、もはや争えない事実だ。中国市場でも、百貨店を経営する企業は長らく不振に苦しんでいる。

中国社会科学院財経戦略研究院が発表した「流通青書中国商業発展報告(2016〜2017年)」によると、13年以降、中国では中規模・小規模のデパートが相次ぎ閉店し、その後、大規模デパートも外資系デパートも災厄から逃れられなくなったという。

だが問題は、腕を切り落としても命を救えるとは限らないことだ。百貨店業態はまだ底を打ってはいない。データをみると、今年上半期には百貨店事業を手がける上場企業57社のうち、77%で営業収入が減少し、75%で純利益が減少し、67%で営業収入と純利益がいずれも減少したという。

林コンサルタントは、「通信販売の時代、体験経済の時代に、商品を売るだけの店舗は消費者に出かけようという気を起こさせない。モデル転換とバージョンアップしか正しい道はない。競争が激化し、同業間で行き過ぎた競争が繰り広げられ、通販の打撃を受けるという背景の下、デパートの経営は今後ますます難しくなるとみられる。ヨーカ堂が引き続き自分たちの考える道を歩き続け、時代と共に進んでいかないなら、市場からの撤退は時間の問題だといえる」と話す。(提供/人民網日本語版・編集KS)