ボート・カヌー会場「海の森水上競技場」について、東京都はIOCに整備費用を故意に少なく見せる虚偽の報告を行っていたという毎日新聞の記事を、「あさチャン!」は紹介した。また、IOCは「海の森」での実施が困難な場合を想定し、韓国でボート・カヌー競技の開催を検討しているという報道も出てきた。

ロンドン五輪は綿密に会場設定

今回の混乱のもとをたどると、猪瀬直樹元都知事が「会場が半径8キロ圏内に85%の競技会場が設定されているコンパクトなオリンピック」に固執したことに始まる。スポーツ評論家の玉木正之氏は「成功したロンドン五輪は、当初からどんな五輪にしたらいいかをかなり綿密に考えたんですね。都市改造というテーマに沿って、街の将来像を考えた上にオリンピック施設をはめ込んだ。今回の東京五輪にはそこがなかった」とズバリ指摘する。

メイン会場になった「イーストロンドン」は、もとは巨大ゴミ捨て場と言われたストラットフォード地区で、経済的に立ち遅れたこの地区の整備計画を下敷きに、その手助けとして五輪のスポーツ施設を当てはめ開発が行われた。

それでも当初の7500億円の開催費用が2兆1000億円と3倍に膨れ上がることが見込まれたため、集荷所の建設を中止して既存施設に切り替えて予算削減に成功した。

全体を把握するプロデューサー不在

ロンドン五輪が成功した要因として最も重要だったのは、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長が招致前から開催後までプロデューサーとして統括したため、方針がブレずに進んだことだという。玉木氏は「東京五輪の場合は、知事がコロコロ変わり、しかもきちんとした計画を実行できるプロデューサー、リーダーがいなかった」と批判する。

流通経済大学教授の龍崎孝「小池知事の言う都民ファーストとアスリートファーストが本当に両立するかという問題があります。ボート・カヌー会場はこれまでもメイン会場から離れて開催されることが多く、ロンドンでも40キロ。宮城・長沼ボート上は350キロ。これでアスリートに納得してもらえるかどうか。東京ではお金がかかるというのは東京のエゴ。きちっと話した方がいい」と話している。