性生活の満足度1位に輝いたのは… (※写真はイメージ)

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 何かと人気の県民性。実はセックスにも、県民性が影響している……らしい。さて、あなたが住む県はどうだろうか。

 長い歴史や風土、文化によって培われた県民性は、セックスに影響するのか。何しろ、育った環境は性格形成に影響するといわれている。そこで、セックスと県民性の関係を調べていくと、ある調査にたどり着いた。

 コンドームメーカーの相模ゴム工業(神奈川県)が実施した「ニッポンのセックス」調査。全国47都道府県の20〜60代男女合計1万4100人(1都道府県300人)を対象に、日本人のセックスの実態をつまびらかにしたインターネットによる調査(2013年)だ。

 早速、「性生活の満足度ランキング」から見ていこう。

 ナンバーワンを獲得したのは鹿児島(55.8%)、次いで山梨(55.7%)、3位福井(54.8%)の順。逆にワーストスリーは45位千葉(46.7%)、46位茨城(46.2%)、47位愛媛(46.2%)となった。県によってここまで性生活の満足度が異なるのは、なぜか。

●浮気率一番低い秋田

 県民性研究の第一人者、ナンバーワン戦略研究所所長の矢野新一氏は、こう見る。

「西郷隆盛のように鹿児島の男性は情熱的で猪突猛進するタイプ。一方で女性は『薩摩おごじょ』と呼ばれ、気立てがいいことで知られているので、男を喜ばせるツボも心得ているのではないでしょうか」

 2位の山梨は、とりわけ女性にロマンチストが多くセックスにのまれることも大好き。3位の福井は男女とも負けず嫌いなので、回数を重ねることを良しとしているのではないかと見る。

 一方で、下位の県については、千葉も茨城も愛媛も、女性は活動的だが、男性がおとなしく、のんびりしている。セックスもワンパターンでマンネリ化するため、女性が満足しないのではないかという。

 お次は「初体験の年齢ランキング」。トップは沖縄の19.6歳、次いで2位青森(19.7歳)、3位高知(19.8歳)。矢野氏によれば、初体験が早い県には細かいことはあまり考えないという特徴があるという。

「とくに沖縄は気候が温暖でオープンな土地柄。『なんくるないさ〜(なんとかなるさ)』という気持ちが強い」

 2位は北国の青森だが、厳しい冬を乗り越える我慢強さとともに、ねぶた祭に見るような情熱的な部分を兼ね備えている。3位の高知はお転婆な女性を指す「ハチキン」という言葉があり、男性も坂本龍馬を生み出したように情熱的。トップスリーが性に対し積極的なのは当然、という。

 逆に初体験が遅かった、45位山口(20.8歳)、46位富山(20.9歳)、47位茨城(21.1歳)などは、いずれも男女ともに真面目。簡単にセックスはしない傾向があるそうだ。

 そうしたなか、

「これは意外!」

 と矢野氏が驚いたのは、「浮気率ランキング」だ。トップは島根(26.5%)、2位が富山(26.2%)、3位は三重(25.6%)。矢野氏によれば、島根も富山も、保守的で道徳心が強い県民性。そのため、一度好きになった相手をずっと大切にし続けるといわれるからだ。だが一方で、真面目で一途ゆえに、時に大胆な行動に出るのかもしれない。

 浮気率が低いのは、45位広島(17.6%)、46位静岡(17.1%)、47位秋田(15.4%)の順。

「広島は女性が一筋、静岡は逆に男性が一筋なのが要因。一番低い秋田は、男女とも真面目な県民性なので、浮気をしないのは当然だと思います」(矢野氏)

●オナニートップは秋田

 さらに詳細に調査を見ていくと、「1カ月のマスターベーション回数ランキング」で、興味深い結果が見られた。

 浮気率では最下位の秋田県が、マスターベーションの回数では5.67回でトップとなっていたのだ。この点を矢野氏は、本当は浮気がしたいのに、クールで真面目な性格ゆえにできない。だから、マスターベーションで補うしかないのかもしれないと推測する。まだある。マスターベーションの回数で福井県は最下位(2.82回)だが、先に見たように「性生活の満足度」では3位。

「恋人やパートナーとのセックスに満足しているため、マスターベーションをする必要がないのでしょう」(矢野氏)

 県民性はどうあれ、心からセックスを楽しむにはどうすればいいのか。

「相手の目を見る。そこに尽きると思います」

 と語るのは、AV界の巨匠として知られる代々木忠監督。

 代々木監督によれば、古来日本には「目合(まぐわ)う」という言葉があったように、日本人は心からのセックスの喜びを知っていた民族だったという。

●大切なのは心の満足

 民俗学者の故・赤松啓介さんの調査によれば、かつての村社会では女性が主導権を握り、若い男性は大人の女性から「性の手ほどき」を受けていた。性に対しておおらかで女性が性的に満足している社会は、豊かだったという。

「そもそもセックスというものは、人間という存在を生み出す行為であると同時に、生を受けたわれわれが、体も心も一つになれる行為でもあるわけです」(代々木監督)

 つまりセックスで大切なのは、肉体の快楽のみならず、心の満足だという。心が満たされないと、セックスの後に空しさに襲われ、その穴を埋めようと再びセックスをしたくなる、と。

 例えば、日本はフランスやギリシャなどと比べセックスの回数が圧倒的に少なく、「セックス小国」などといわれる。だが、回数が増えるのは実は心が満足していない証しだと話す。

「目を見ないセックスは、心ではなく頭でしています。それでは相手の体を使ったオナニーだ。目を見た時にはじめて相手をいとおしいと感じ、心までつながるセックスができるのです」(同)

(編集部・野村昌二)

AERA 2016年10月24日号