やせたと思って喜んでいたら落とし穴があるかも

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【ガッテン!】(NHK総合)2016年10月12日放送
「まさか!ダイエットが引き起こす肝臓の悲劇」

見た目の美しさだけでなく、健康にもよいはずのダイエットだが、やり方によっては肝臓に悪影響を及ぼし、肝硬変や肝臓がんを引き起こすおそれもある。

番組では、ダイエット成功者たちの体を検査。「パンパン」な異常状態に陥った肝臓が見つかった。

ダイエットリバウンドの繰り返しがダメージに

会社員の伊藤芳春さん(38)は、健康のためにダイエットを始めた。

伊藤さん「5キロくらいなら簡単に落ちちゃうので、今日はこれくらい痩せてやるというチャレンジ意欲がわき、楽しくなってくる」

主なダイエット法は食事制限だ。太ってきたら、キャベツにもずく、こんにゃく、豆腐、もやし、炭酸水など、決まったものだけを食べる。この5年ほどで11回ほどダイエットに取り組んでいる。

伊藤さん「健康的になっていると感じます。体も軽いですし」

伊藤さんをはじめとして、ダイエットに成功し、現在健康な生活を送っている25人の体を検査したところ、3人の肝臓に深刻な異常が見つかった。

特に悪かったのが伊藤さんだ。肝臓の脂肪量が通常の約2倍で、精密検査の結果、2泊3日の検査入院を勧められてしまった。伊藤さんは「びっくりしています。自覚症状がなかったので...」と呆然だ。

ほかに脂肪量が危険ラインに達していた斉藤さん、森山さんも、伊藤さん同様、食事制限で急激に体重を落とし、太ったらまた食事制限...と、ダイエットとリバウンドを繰り返していた。

夜遅い食事と夜更かしは禁物

3人の肝臓は「脂肪肝」になっていた。

肝細胞には「脂肪の出し入れ」をする働きがある、血液中にはエネルギーの素となる脂肪が適量流れていて、肝細胞が多すぎると判断するとその脂肪を肝臓に蓄え、少なくなるとまた血液に戻し、血中のエネルギー量を一定に保っている。

極端な食事制限のような急激なダイエットをすると、血中の脂肪が減り、皮下脂肪から大量に脂肪が放出される。見た目は痩せるが、血中の脂肪が増えたため、肝臓に脂肪が溜め込まれる。

痩せた後に我慢していた食べ物を食べると、血中の脂肪が増え、また肝臓に脂肪が...と、悪循環が起こる。これを繰り返すと、肝臓が脂肪でパンパンになってしまう。

自覚症状がないので気付きにくいが、血液検査で「ALT」の数値が40を超えたら要注意だ。

肝臓も心配だが、やはりダイエットはしたい。どんな痩せ方が健康的なのだろうか。

横浜市立大学付属病院 肝胆膵消化器病学の中島淳教授は以下の方法を勧める。

(1) 食事の量は少し減らすだけで、普段通りの食生活を心がける。

(2) 1日30分のウオーキング程度の運動をする。早歩きだと効果大だ。

(3) 早めに夕食を摂(と)って早寝し、最低1日6時間の睡眠を取る。肝臓に溜まった脂肪は、寝ている間に脂肪組織、筋肉、心臓が使う。夜遅い食事と夜更かしは肝臓に脂肪を溜まりやすくする。

(4) 体重は急激に落とさず、1か月に2〜3キロまでの減量にとどめる。

脂肪肝と診断されてしまった伊藤さんは、月に1.5キロペースで健康的に減量中だ。