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犬が野生のオオカミから派生した動物だということは、広く知られていますが、いつ、どこで、どのようにして犬になったのかはよくわかっていません。ムービー「The Origin of Dogs」では、「西洋・東洋で同時並行的にオオカミの家畜化が始まった」という犬の起源について新説が解説されています。

The Origin of Dogs - YouTube

数万年前、初期の人間が手なづけていたのは……



グレイウルフというオオカミです。



そのオオカミは、長い時間をかけて体形や気性が変化しました。



具体的には、頭の形、歯や前足などが小さくなりました。



耳はたれ、従順になり、恐ろしさはなくなり、犬になったのです。



科学者はみな、犬がオオカミから派生したという点については異論がありません。



しかし、それがいつ、どこで、どのように起こったのかという点については意見は一致しません。



オックスフォード大学のグレイガー・ローセン教授はこの謎を確かめようとしました。そして、彼の研究チームは、驚くべき発見をしました。



それは、犬は一度ならず二度も家畜化されていたということ。



数千年前、西洋のどこかで人間はグレイウルフを家畜にしました。



そして、ちょうどその頃、東洋のどこかでも独立してまったく同じ事が起こっていました。



家畜になった犬は、人間とともに行動するようになり、人間の移住にともなって犬も世界中を移動するようになりました。



そして、青銅時代に西洋から来た犬と東洋から来た犬がついに出会うことに。



こうして、別々の場所で誕生した犬は交配し子孫を残し、その子孫が増えて西洋・東洋それぞれの犬を置き換えていくことになりました。



今日の西洋犬のほとんどが東洋犬を祖先に持ちます。



古代の西洋からの犬はたった10%に過ぎないことがわかっています。



犬の遺伝学者は、この説を別の事実から説明しています。その材料は「骨」です。



仮に、世界のある場所で犬が誕生して世界中に広まっていったとすれば、最古の犬の骨が発見された場所から、遠く離れたところで比較的新しい骨が発見されているはず。



しかし、実際には、西洋で見つかった犬の最古の骨は1万5000年前のもので、東洋で見つかったのは1万2500年前のもの。それに対して中央アジアで見つかった最古の犬の骨は8000年前のものという事実から、西洋・東洋で生まれた犬が中央アジアで一つの種になったはずだというわけです。



こうして犬の起源に関する新しい事実が明らかになりました。



しかし、この事実は犬こそが人間が生活を共にした最初の生き物であるということを示す点で非常に重要です。



犬は、穀物よりも、他の家畜類よりも早く、人間とともに暮らしてきた生き物です。



犬こそが最初に人間の世界を変えた生き物なのです。