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2014年、米ニュージャージー州において二本脚でスタスタと歩くクマが発見され、大きな話題となった。まるで童話の世界の住人のようなその姿に住人はすっかり魅せられてしまい、クマに「ペダル」と名付け、人里に下りてくるのを心待ちにするようになった。そして、住民がSNSに投稿した動画により、ペダルの人気は世界規模となっていった。

ペダルは幼い頃に両前脚を負傷したことが原因で四足歩行ができなくなってしまった。失われた歩行能力を補完するために、後ろ足だけで歩く能力を身につけたという。当然、クマは四足歩行をする骨格を持っていないため、ペダルは少し歩いては一休みし、また歩き始める。そんな健気な様子が同情を誘い、保護区への移送が検討されていた。

しかし、ペダルは保護区へ移される前に命を落としてしまった。ニュージャージー州では今年、50年ぶりにクマ猟が解禁され、あるハンターがチェックステーションに持ち込んだクマの個体が、ペダルと同じ特徴を持っていることが確認されたのだ。

ニュージャージー州の狩猟を管轄するNJ Division of Fish and Wildlifeのスポークスパーソンは「今回のクマにはタグも付けられておらず。DNAサンプルも採取していないため、その問題のクマであると断定はできない」とコメント。しかし、前脚の不自由なクマをスポーツハンティングで殺したことに変わりはなく、この心ない行動に抗議が殺到している。