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アメリカの一部の州ではマリファナを合法に使用することができ、若者を中心にマリファナを使用する人が増えています。マリファナ使用中に無謀な運転をして事故を引き起こす危険性が指摘され、飲酒運転同様に罰則を強化しようという動きがありますが、アメリカ国家道路安全局(NHTSA)が出した研究結果には、なんと「マリファナ使用状態は飲酒状態よりも運転ではるかに安全」というデータが示されています。

Stoned drivers are a lot safer than drunk ones, new federal data show - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/news/wonk/wp/2015/02/09/stoned-drivers-are-a-lot-safer-than-drunk-ones-new-federal-data-show/

これはNHTSAはマリファナ、違法なドラッグ、鎮痛剤、抗うつ剤などを服用した状態や飲酒状態におけるドライバーの各種事故かい離率が、"しらふ"の正常なドライバーに比べてどれくらい高いのかを調査しました。なお、「飲酒状態」については血中アルコール濃度が0.05%以上の場合に限定されています。各種症状における事故率をグラフにすると、驚くべき事にマリファナは正常なドライバーとほとんど大差がないこととともに、飲酒状態は約600%アップというマリファナ服用時に比べて約7倍も事故率が高いことが明らかになっています。



今回の調査からは、血液中に含まれるマリファナの主成分THCの濃度は、血中アルコール濃度のようにドライバーの運転能力を著しく減退させる効果はないことが明らかになりました。NHTSAは「現時点では、特定の薬物濃度レベルはドライバーに起こり得る他の障害と同一視できないことは確実である」と結論づけています。

このような「マリファナ服用時の運転機能減退はほぼなし」という驚きの結果が出たものの、マリファナ服用時の運転を規制しようとする州法案は各州で議論されているとのこと。例えばコロラド州は、血中THC濃度を5ナノグラム/ミリリットルに定めて、マリファナ服用運転を取り締まる州法案を通過させています。しかし、今回の調査結果からは、このような規制が妥当かどうかは議論の余地が出てきそうです。



なお、マリファナ服用状態は飲酒状態とは違う特徴があるという指摘もあります。飲酒状態は、アルコール摂取直後に急激に高まり、時間と共に解消していくものですが、マリファナや向精神薬の多くは体内から排出される時期が予測困難であることが知られています。THCについてもマリファナの最後の使用から数日から数週間にわたって体内で検出できることからわかる通り、いつの時点でのマリファナ服用を問題とするのかは難しい問題だと言えそうです。