今年も国慶節の連休に、大挙して日本にやって来た中国人観光客。しかし、去年のように「爆買い」がクローズアップされることはなく、温水洗浄便座を競うように買って帰る現象も目立たなかった。中国メディア・中国消費者報は14日、「中国人観光客は、どうして日本の便座を奪うように買わなくなったのか」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C)Teerawut Masawat/123RF)

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 今年も国慶節の連休に、大挙して日本にやって来た中国人観光客。しかし、去年のように「爆買い」がクローズアップされることはなく、温水洗浄便座を競うように買って帰る現象も目立たなかった。中国メディア・中国消費者報は14日、「中国人観光客は、どうして日本の便座を奪うように買わなくなったのか」とする記事を掲載した。

 記事は、2016年の国慶節連休では去年のように、中国人観光客が日本で便座や炊飯器を「爆買い」することが話題にならなかったと紹介。「それは中国企業が華麗なる反撃を実現した結果なのか」と問題提起したうえで、「答えはノーだ。実際の状況はそんなに簡単ではない」とした。

 そして、15年に発生した中国人観光客による便座「爆買い」騒動について、「一部消費者の非理性的な買い物と、メディアの煽りによるもの」と指摘した。他の客が便座を購入しているのを見た観光客が購入欲を刺激され、さらにガイドや販売員の誘導によって「こぞって買う状況」が発生すると解説。それが「敏感な人によって世論的な価値があるとみなされ、『中国製便座は質が悪い』といった文章が飛び交い、社会での議論を呼ぶのだ」と論じている。

 記事は、「事実はそんなことはない」とし、そこまで高い技術的価値を持たない温水洗浄便座において、日本製と中国製の間に大きな差はないと説明。一方で「この件は、国内の関連企業に警鐘を鳴らしもした」伝え、この1年で多くの企業が生産基準を定め、専門家を工場に呼んで視察を頼んだり、製品のグレードアップに努めてきたとした。さらに、消費者も本土ブランドに成長のチャンスを与えるべきであり、昨年の騒動以降に消費者の行動もより理性的になったと説明した。

 「爆買い」という言葉に世間が飽きてきたこと、中国人観光客の消費行動が理性的になりつつあることが、今年「爆買い」が昨年ほどクローズアップされなかった大きな要因と言えそうだ。以前は毎日のように日本国内で騒ぎ立てていた大気汚染の話も、ほとんど耳にすることがなくなった。汚染状況は確かに改善に向かっているのだろうが、そこまで劇的なのか。情報として「世論的な価値」が薄れたという要素が大きいのではないか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Teerawut Masawat/123RF)