写真提供:マイナビニュース

写真拡大

俳優・染谷将太が、日中共同製作映画『空海―KU-KAI―』(2018年公開)に主演、修行僧時代の空海(沙門空海)を演じることが17日、わかった。

同作は作家・夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』(角川文庫/徳間文庫)を原作に、陳凱歌監督がメガホンを取る。構想5年、総制作費は150億円となり、これまでにない規模の日中共同製作映画として配役が注目を受けていた。7世紀の唐を舞台に、遣唐使として送られた空海が、詩人・白楽天(白居易)とともに歴史の謎と対峙する。

染谷演じる空海の相棒となる白楽天は、中国好感度俳優第1位の人気の俳優・黄軒(ホアン・シュアン)が演じる。製作スタッフは1,000人、オール中国ロケとなり、湖北省・襄陽市(じょうようし)に再現した唐の都のセットで、5カ月間の長期間撮影を行う。2人のキャスティングについて、製作代表・角川歴彦は「監督が一目ぼれした」と説明した。

このビッグプロジェクトに染谷は「監督の美しいアートワークの中でなんと空海として生きられる。こんな凄まじい人生経験はないことでしょう。声をかけてくださった監督、そして快く自分を迎え入れてくれている中国スタッフ・キャストの皆さんに感謝しかありません」と感謝の気持ちを表した。

中国ロケ、セリフも全編中国語となるが「平たく言えば”大変”と言えることはありますが、不思議と空海を通して過ごしているとそれがとても解消されていくのです」と、すでに役に入り込んでいる様子。「唐の街を再現したとてつもないでかいセット(もはや街)での撮影は完璧な世界観の中でお芝居ができるので地に足が着いてとても説得力が生まれています」と、撮影の様子を語った。

陳監督は「この映画が求めているのは『美』である。僧侶と詩人―ひとりは智慧を持ち理性的で聡明、もう一人は感性と才気に富み、熱血的である」とテーマについて語り、「ふとしたきっかけで出会った2人は、何の為に相棒となり、ともに過ごすのか。それは、この世の中の”美”が徹底的に破壊されないように守る為である」と、作品について表現した。

原作者・夢枕獏は「ぼくが17年かけて書いた物語の舞台、映画のために造られた巨大な長安の街の中を歩いていたら、思わずほろほろと涙がこぼれてきた」と感動を表す。「長い間、映像化不可能と思っていたのだが、そうでないことをこの時確信した」と、作品に期待を寄せた。

(C)New Classics Media Corporation and Kadokawa Corporation 2016