株や土地はもちろん、絵画投資も花ざかりだった1989年。地方自治体には1億円がバラまかれ、純金の鯛やかつお、こけしなどが全国に登場した。写真は青森県黒石市の「純金&純銀こけし」。2007年に市の財政難を補うために2億円で売却され、1億円の利益が出た 写真:読売新聞/アフロ

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昭和天皇の崩御で粛々と幕が開き、バブルが弾けて終わった1989年。土地価格は狂乱し、バブル紳士がカネにものを言わせてやりたい放題したものの、わずか数年でほとんどが崩壊、表舞台から姿を消した。その後の長い長いトンネルに入ったことを考えると、バブルの頂点となったこの年は黒歴史の入口であることは間違いないのだが、数少ないが成功事例もある。

フェラーリに22億円!!
それでも儲かった「究極の投資」

 1989年11月22日、英紙がこぞって報じたニュースが、「日本人のコレクターがフェラーリを1000万ポンド(約22億7000万円)で落札した」というもの。もちろん、史上最高値である。当然のことながら、そのニュースは日本では「またまた顰蹙 金権ニッポン」(週刊文春 12月11日号)といった皮肉たっぷりに伝えられたが、実際はどうか。

 この落札されたフェラーリは250GTO。1962年から64年にかけて39台だけ製造されたレース車である。その希少性からか、世界中のコレクターにとっては究極のアイテムである。

 問題は、22億円は高かったのか、だ。それから四半世紀が過ぎた2014年、米国で開催されたオークションで、同じモデルの250GTOが3811万ドル、39億円で落札されている。仕様の違いがあったにしても、日本人が落札した250GTOも22億円を下ることはないだろう。バブル崩壊をまぬがれるどころか、じつに有利な投資になっているのがわかる。

 日本製のクルマにも中古車市場での値上がりが起きている。89年に全世界での発売が発表された2シータースポーツカー、ホンダNSXである。開発に際して、ホンダはフェラーリを徹底的に研究したというから、目指したのは頂点、フラッグシップモデルである。年間生産台数6000台のうち3分の2が欧米に輸出されたため、国内には2000台しか回されなかった。とにかく高いもの、稀少なものにはカネを惜しまない時代だっただけに、この和製スーパーカーには注文が殺到、納車まで3年待ちとされた。

 待っていられない小金持ちは中古車を漁ることになる。そして発売直後にオークションに登場したNSXに、1621万円と、新車価格の倍値が付けられたのである。このNSX、2006年に生産中止となるが、いまも中古市場では人気があり、本来であれば値段が付くことはない20年以上前の中古車に最低でも300万円弱、高いものでは1400万円の値段が付けられている。フェラーリほどではないが、うまくすれば値上がり益を狙うことも不可能ではない。

 ちなみに2016年8月にはハイブリッドエンジンを積んだ2代目NSXが発表(2017年2月発売)された。国内での価格は2370万円、日本国内での発売台数は、なんと100台。希少性は間違いない。本当の金持ちならば、真剣に投資物件として狙っているはずだ。

 じつは、このように損していない(うまく持ちこたえられたら、の前提付きだが、うまく持ちこたえられるほどバブル崩壊は甘くはなかったのも確か)投資対象は他にもある。バブルの象徴ともされていた絵画であり、金塊である。

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