阪神・ルーキー選手の今シーズンを振り返る

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 2016年10月20日、プロ野球ドラフト会議。

 子どものころからプロ野球を夢見て、白球を追い続けてきた男たちの運命の日が刻一刻と迫っている。

 指名される選手たちにとっての運命の日は、指名する側の球団にとっても、チームの行方を左右する重大な日でもある。

 各球団のドラフトの成果は、翌年以降、指名を受けた選手の成績でいやがうえでも評価される。

 今年のドラフトを前に、“超変革”を掲げた阪神タイガースの昨年のドラフトの成果をあらためて検証してみた。

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■高山俊(1位指名・明治大)

 昨年のドラフト最大の成果は、1位指名の高山俊で異論ないだろう。

 今季の安打数、136安打はルーキーの球団最多安打記録を更新し、明治大時代に達成した東京六大学リーグの通算安打記録更新が決して伊達ではなかったことを証明した。

 シーズン中盤でプロの壁に突き当たるも、終盤には持ち前のバットコントロールで再び安打の量産態勢に入り、来季のレギュラーをほぼ手中に収めたといってもいい活躍をみせた。

 高山の指名はヤクルトとの競合になったが、高山にとっても阪神にとっても、今後10年の運命を、まさにあのクジが決めたといってもいい。

■青柳晃洋(5位指名・帝京大)

 成果を挙げた選手として2番目にくるのは青柳晃洋だろう。

 シーズン途中から先発ローテーション入りし、4勝5敗と負け越しはしたものの、来季につながる課題がはっきりと見えたことが最大の成果だ。

 来季はプレッシャーのかかる2年目となるが、金本知憲監督の青柳に対する期待の込もったコメントを見る限り、2ケタの勝ち星はすんなりと達成するスキルを備えてはいるはず。

 ただし、大事な場面で四球やミスから自滅することが目立ったので、「己に勝つ!」という課題を克服することが必須となる。

■板山祐太郎(6位指名・亜細亜大)

 3番目に成果を挙げたのは、板山祐太郎ではないだろうか。

 昨年のドラフト会議にあたって、金本監督が直々に推薦しただけあって、やはり終盤に頭角をあらわしてきた。

 今季もっとも競争の激しかった外野手の中で、何度かファームとの行き来を経験したが、1軍に上がるたびに、バッティングは安定感を増し、長打も打てる選手へと徐々に成長をみせてきた。

 しかし、FAでオリックス・糸井嘉男を獲得となれば、板山の出場機会は激減する。来季を見据えれば、板山にシーズンオフはない。

■坂本誠志郎(2位指名・明治大)

 4番目には、坂本誠志郎を挙げたい。

 阪神は正捕手不在のなかで春季キャンプに突入。ほとんど試合経験のなかった岡崎太一が正捕手の第一候補として開幕戦を迎えた。

 4月に入ると、シンデレラボーイ・原口文仁が育成枠から突如、正捕手争いに名乗りを上げ、正捕手の座を確保するかに見えた。しかし、右肩の不調もあり終盤は再び激しいレギュラー争いが展開された。

 そのなかにあって、坂本は捕手の適性が評価され、マスクを被る回数が原口を上回るようになっていた。

 来季は、バッティング面ではかなりのリードを許す原口との正捕手争いに勝ち、原口を一塁に追いやれるかどうかにかかる。

■望月惇志(4位指名・横浜創学館高)

 10月1日、今季最終戦の最終回に1軍初登板を果たしたのが望月惇志だ。

 満員の甲子園にあって、高卒新人投手とは思えない落ち着いたマウンドさばきを見せた。

 今季での現役引退を表明した福原忍が8回の先頭打者を打ち取り、生涯最後の投球を終えた後、初登板の新人・望月が完璧に締めるシナリオは金本監督が描く最終戦の理想の継投だったに違いない。

 望月が投げ込む150キロを超えるキレのあるストレートは、来季の1軍での活躍を予感させるに十分なものだった。

■近年まれにみる成果の出たドラフト

 今季は、昨年のドラフトで指名した6人中、5人が1軍で脚光を浴びた。近年まれにみる成果の出たドラフトだったといえよう。

 それは、“超変革”を掲げたことで新人選手にチャンスが与えられ、選手自身もその期待に応えた結果だともいえる。

 今年のドラフトは選手、球団にどんな運命が待ち受けているのか。10月20日を楽しみに待ちたい。

まろ麻呂企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子どものころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには!」をモットーに、日々書き綴っている。【関連記事】