まるで映画のセットのような軍艦島の廃墟!ジオラマ作品“光さす庭”の儚い美しさに心が震える

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まるで映画のセットのようにリアルなジオラマ作品“光さす庭(軍艦島日給社宅)”の儚い美しさに心が震えると話題を呼んでいる。

柔らかな光に照らされた中庭に

この作品を制作しているのは、ジオラマ作家のひなたさん(@honononnohohon)。

朽ちていく建物に囲まれた中庭は柔らかな光に照らされており、かつて住んでいた人々の思い出が今も漂っているようだ。

ひなた

ひなた

今回は彼女にジオラマ作品を制作し始めたキッカケ、そして作品を制作した経緯やインスピレーションなどに関して伺った。

鉄道が大好きな息子と夫がキッカケで

――ジオラマを製作し始めたキッカケは?

小さい頃、兄が作っていた鉄道模型のジオラマ(レイアウト)を見て興味を持ちました。

その時には制作はしませんでしたが、それから時が経ち、息子が生まれて…。

ひなた

ひなた

夫は、鉄道大好きな息子と一緒に(鉄道を)見たり乗ったりしているうちに、鉄道模型の車両を買い集めるようになりました。

それを見ている内に、かつて興味を持った鉄道模型のジオラマを思い出しました。

ひなた

ひなた

そこで、「夫の鉄道模型を飾れるジオラマを作ったら、喜んでくれるかな?」と考え、制作したのがキッカケです。

そこに流れる時間の流れと物語を

――“光さす庭(軍艦島日給社宅)”のジオラマ作品を作成しようと思った理由を教えてください。どのような思いを込めて作品を製作されましたか?

廃墟と化した高層アパートの中庭に芽吹いた木々の緑に、きらきらと日の光が落ちていく風景がとても美しくて…。

その写真に映る中庭をどうしても作りたいと思いました。

ひなた

ひなた

“廃墟の島”――最初に抱いていた軍艦島のイメージです。

けれども、制作するための資料を探していたとき、あるサイトでお孫さんを抱くおじいさんらしき写真を見つけました。

それを見たとき、「軍艦島が…そして端島が、そこで暮らしていた人にとっては故郷なのだ」と気がつきました。

ひなた

ひなた

この場所に残るかつて暮らしていた人々の気配と、朽ちゆく廃墟としての美しさ。

そこに流れる時間の流れ、物語のようなものを作れたらいいなと思いながら制作しました。

ひなた

ひなた

調べてもわからない部分を形にする

――作品を製作する際に、特に気を使った部分や難しかった箇所は?

この作品の建物はフルスクラッチ(模型製作方法のひとつ。プラモデルなどの組み立てキットを作るのではなく、各種材料を用いて素材から削り出し部品を自作すること)したので、そのための資料を集めるのが大変でした。

ひなた

ひなた

書籍や写真、映像などを調べられる限り調べてもわからない部分が多く、それを形にしていくのに苦心しました。

“光さす中庭”を作るために、二棟の建物がどうしても必要だったので制作しました。

ひなた

ひなた

しかし、膨大な量の同じ部品を繰り返しひたすら作っていく作業が多く、その作業を続けるモチベーションを保つのがいちばん難しかったです…。

その一瞬に見えたものを作るため

――“鴉と機関庫”(大分県・豊後森機関庫をモチーフに制作)を製作しようと思いついた経緯を教えてください。また、こだわっている部分はどこですか?

豊後森機関庫をロケ地に使った映画を見たときに、1羽の鴉がいる機関庫の光景が不意に目の前に浮かびました。

その一瞬に見えたものを形にしたくて制作しました。

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ひなた

本物に似せることよりも、自分に見えた光景に近付けていくことを心がけました。

ひなた

ひなた

窓から差し込む日の光、割れた窓ガラス、くすんだ壁、からまる枯れた蔦。寂れた、けれどどこか美しい光景を作りたいと思いました。

ひなた

ひなた

目の前に作りたい風景が浮かぶ

――ジオラマ制作する廃墟や鉄道はどのように資料を集めて制作していますか?また、作品のインスピレーションはどこからやってきますか?

ほとんどの作品は、実際には訪れたことのない場所や建物なので、写真集やネットのサイトなどで、資料を集めて制作しています。

ひなた

ひなた

写真を見たときに、ぱっと目の前に作りたい風景が浮かんで“見える”ことが多いです。

映像や言葉などに触発されて思い浮かぶこともありますね。

リアルさは手段であって目的ではない

――作品がリアルに見えるように工夫している箇所はどのようなところですか?

あまり、リアルに作ることへのこだわりはありません。

ひなた

ひなた

自分のイメージする雰囲気に近付けるために必要であればリアルに作り込む努力はしますが、それは表現する手段であって目的ではありません。

ひなた

ひなた

手段としてリアルにしたい場合は、とにかく資料に当たり、よく見ることを心がけています。

パムッカレ2

何度も塗り直してイメージする色合いを

――今まで制作した中で、いちばん難しかった作品は?

どの作品を作るときにも難しいなと感じますが、あえて一つ選ぶなら“音のない街”でしょうか。

ひなた

ひなた

当初から明確な全体の色のイメージがあったのですが、そのイメージする色合いがどうしても出せず、何度も何度も塗り直しました。

ひなた

ひなた

いつもはいちばん好きな工程である塗装にとても苦しんだことが、記憶に残っています。

ひなた

ひなた

自由度の高いところが魅力

――今後の活動に関して教えてください。

九州北部の模型展示会に、都合のつく場合に参加・展示させていただいております。

しばらく展示会の参加予定はありませんが、展示させていただく場合はTwitterで告知いたします。

ひなた

ひなた

どんな言葉を重ねるよりも実際に作品を見ていただくほうが伝わるものが多いと思うので、なるべく展示する機会を増やしていきたいです。

廃墟の風景だけでなく、様々なジャンルのジオラマに挑戦していきたいです。

ひなた

ひなた

ジオラマは、思いついたらどんなものでも形にでき、こうでなくてはいけないというものがない自由度の高いところが最大の魅力だと思います。

今後も「作りたい」と思ったものを、自由に好きなように作りたいですね。

ひなた

ひなた

制作ペースは遅いですが、「好きなものを全力で形にしていきたいなぁ」と思っております。

細部まできめ細やかに作り込まれ

頭の中に浮かんだイメージを再現するために、細部まできめ細やかに作り込まれたジオラマ作品を制作するひなたさん。

ひなた

ひなた

流れゆく時間の中で、朽ちていく廃墟に残っている遠い日の記憶や思い出を切り取った美しいジオラマ作品の数々。

彼女の作品が気になる方は、ぜひTwitterのアカウントをフォローしてみてはいかがだろうか。