【シトロエン C4 BlueHDi試乗】フランス車好きにお勧め!価格で選んでも大正解

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“手堅いシトロエン”が欲しい、と思ってる方に朗報です!

1.6リッターのディーゼルターボ(120馬力/30.6kg-m)を搭載したシトロエン「C4 FEEL BlueHDi」が、日本市場に導入されました。価格は279万円。

1.5リッターのディーゼルエンジン(105馬力/27.5kg-m)を搭載するマツダ「アクセラ スポーツ 15XD」が230万3640円。その上級グレードである「アクセラ スポーツ 15XD Lパッケージ」が268万9200円ですから、シトロエンジャポン(PSAグループ)、頑張りましたね!

C4のボディサイズは、全長4330mm(アクセラスポーツと比較してマイナス140mm)、全幅1790mm(同マイナス5mm)、全高1490mm(同プラス20mm)と、いかにも使いやすい大きさ。ホイールベースは2610mm(同マイナス90mm)です。

C4とアクセラの比較に違和感を感じる人がいるかもしれませんが、両車ともフォルクスワーゲン「ゴルフ」をベンチマークとする激戦区“Cセグメント”に投入されたクルマです。キャラクターが違うので、どちらにするか迷う人はあまりいないかもしれませんが、研究までに(!?)比較してみました。

■驚くほどの静かさ。給油時にガソリンを入れないよう要注意!

今回、ディーゼルモデルが追加されたC4は、2010年に登場した2世代目です。初代C4の、丸みを帯びてどこか女性的だったイメージから一転、現行モデルは凛々しいハンサムカーとなりました。シトロエンの枕詞となっている“個性的な”という形容詞は、新しいブランドのDSにまかせ、より一般的な土俵で戦うクルマに衣替えしたわけです。

シトロエン C4 FEEL BlueHDi

日本では、翌2011年から輸入が開始され、当初はBMWと共同開発した1.6リッター直4ターボ(156馬力/24.5kg-m)がラインナップされました。その後、ダウンサイジングの波に乗り、2015年にプジョーと共有する1.2リッター直3ターボ(130馬力/23.5kg-m)にパワーソースを変更。そしてこのたび、話題のディーゼルユニットをひっさげて、久々に上位グレードが加わったのです。

試乗したのは“ルージュ アルティメット”と呼ばれる赤にペイントされたクルマ。ドアを開ければ、黒基調のファブリック内装が待っています。実用エンジンを積んだクルマらしく、地味めです。ステアリングホイールは革巻きタイプ。初代のステアリングホイールは、外縁のリムだけが回る不思議な仕様でしたが、2世代目のそれは、機能面では全く普通になりました。初代のハンドルは、学術的には興味深かったのですが、「どこまで回したか?」が分かりにくかったんです。

シトロエン C4 FEEL BlueHDi

さっそくスターターボタンを押し、ディーゼルエンジンに火を入れると「オッ!?」。静かですね。試しに車外に出てみると、明確にディーゼル車であることを主張しますが、ひとたび車内に入ってしまえば、パワーユニットの油種の違いは気にならなくなります。もし、C4ディーゼルのオーナーになったなら、最初のうちは、給油時に間違えてガソリンを入れないよう、注意が必要かもしれません。

搭載される“BLUE HDi”ことPSAグループのディーゼルユニットは、1.6リッターの排気量から、過給器の力を借りて、3500回転で最高出力120馬力、1750回転で最大トルク30.6kg-mを発生します。かつての1.6リッター“ガソリン”ターボ(156馬力/24.5kg-m)と比較すると、最高出力では及びませんが、力強さを表す最大トルクでは上回ります。

実際、街中ドライブでは、タコメーターの針が3000回転に届くことはまれで、つまり、最高出力が問われるシチュエーションはほとんどなく、C4ディーゼルの出足、加速に不満を抱くことはありません。使いやすいエンジンです。

気になる燃費は、カタログ上は20.2km/L(JC08モード)。今回、300kmほどを、燃費を気にすることなく、時にハードに山道を走った結果、車載コンピューター上の平均燃費は16.6km/Lを示しました。燃料タンクの容量は60リッターですから、丁寧に走れば“東京-大阪”間を無給油で往復できそうです。

シトロエン C4 FEEL BlueHDi

最新のディーゼルユニットは、排ガス中の有害物資の除去も徹底しています。NOx(窒素酸化物)は90%、PM(粒子状汚染物質)は99.9%除かれます。実は、PSAのディーゼルターボは、贅沢にも“AdBlue”を使った尿素SCRシステムを採用しているのです。これは、排ガス中に尿素水溶液(AdBlue)を噴射することで、最終的に窒素酸化物を無害化(窒素と水に還元)する仕組みです。

AdBlueを使うシステムは、尿素用タンクが必要で比較的高価なため、小型車には不向きと見られていました。それでも、小、中型車を得意とするシトロエン、プジョーが採用したのは、その効果の確実さと、年間100万基以上のディーゼルエンジンを生産するPSAグループの底力を見込んでのことでしょう。いうまでもなく、大量生産によってコストを削減できるのです。

PMに関しては、微粒子フィルターに一定量を貯め、定期的に焼いてしまうセルフクリーニング式の浄化装置が対応します。

久しぶりに乗ったシトロエンのC4は、エンジンこそ目新しいものの、少々懐かしいドライブフィールでした。デビューから6年、初代から数えると、もう12年が経つのです!

最近のC4は、なんとなく派手なスタイルを採る「DS4」の陰に隠れがちで、また、間もなく上陸する「C4カクタス」に話題をさらわれ、実力の割に不遇な扱いだった気がします。せっかくのディーゼルモデル導入も、同胞プジョーが新しいプラットフォームを持つ「308」に同じエンジンをラインナップするなど、なかなか厳しい立場にあります。

東洋の島国では、“ダブルシェブロン”のエンブレムを付けたクルマといえば、(不当に!?)少ないガイシャユーザーの中でも、とりわけ“好き者”が選ぶブランドと見なされていますから、(シトロエンにしては)まっとうに過ぎるC4の苦境は、仕方ないのかもしれません。

だが、しかし! いうまでもありませんが、シトロエンは、本国フランスを始め、ヨーロッパではプジョー、ルノーとともに、大衆車の一角を占める自動車メーカーです。C4がモデル末期にさしかかった今こそ、さり気なく本国で好まれるディーゼルモデルを購入してみる…。それこそ、真の“フランス通”、なのかもしれません。頑張れ、C4!。

シトロエン C4 FEEL BlueHDi

<SPECIFICATIONS>
☆FEEL BlueHDi
ボディサイズ:L4330×W1790×H1490mm
車重:1380kg
駆動方式:FF
エンジン:1560cc 直列4気筒 SOHC ディーゼルターボ
トランスミッション:6AT
最高出力:120馬力/3500回転
最大トルク:30.6kg-m/1750回転
価格:279万円

(文&写真/ダン・アオキ)