『スタジオジブリ大解剖(サンエイムック)』(山栄書房)

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 千尋、サツキ、ナウシカ、キキ……ピンときた人に朗報だ。

 9月15日に発売された『スタジオジブリ大解剖(サンエイムック)』(山栄書房)は、スタジオジブリ全長編作品の魅力や製作秘話、世界観を生み出すデザイン画などが全ページカラーで紹介されている完全保存版だ。

全作品のポスター一挙公開 思わぬトリビアも?

 本書冒頭のポスターコレクションは見応えがある。懐かしいものから、初見のものまで、ついじっくりと見てしまう。

 その中で必見は『となりのトトロ』のポスターだ。

 夜のバス停で傘をさすシーンはあまりにも有名だが、トトロの隣に佇んでいるのは……?

 サツキとメイだと思い込んでいた人が多いはず。しかし、そこに描かれているのは、その2人のどちらでもない女の子。気づいた時、思わず鳥肌が立ってしまった。一体なぜ?  

 真相への手がかりは、本書中盤に特集されている“ジブリ作品トリビア”に掲載されていた。

『となりのトトロ』はサツキとメイの姉妹として描かれているが、企画の当初はひとりの設定だった。

 つまり、ポスターの少女は当初のヒロインということらしい。ちなみに、物語に膨らみをもたせて上映時間を長くするため、最終的に姉妹へ変更となったそうだ。

 こうしたジブリトリビアは、他にも多数紹介されている。

『風の谷のナウシカ』の冒頭に出てくる王蟲の暴走シーンのBGM「王蟲の暴走」でギターを弾いているのは布袋寅泰氏。

『魔女の宅急便』で「STUDIO GHIBLI」とロゴの入ったバスが通っている。

『風立ちぬ』の効果音は、ほとんど人の声で表現している。
(本書より抜粋)

 いかがだろうか。今まで何回も作品を観てきた人でも、新鮮な驚きがきっとあるはずだ。

もっと知りたい! もう一度会いたい! 作品を彩るヒロインたち

 スタジオジブリ作品の主人公のほとんどは、女性だ。美しく、たくましい、魅力的な彼女たちは、ジブリ人気の立役者でもある。

落ちこむこともあるけれど
私この町が好きです
(『魔女の宅急便』キキ)

アシタカは好きだ
でも人間を許すことはできない
(『もののけ姫』サン)

 本書では“ヒロイン大研究”と題して、名台詞とともに、22人のヒロインを紹介。印象的な場面とあらすじが掲載されているので、まるで作品を観ているかのような感覚でグイグイ引き込まれる内容だ。

第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門特別賞受賞の最新作も大解剖

 本書では今秋公開された最新作『レッドタートル ある島の物語』についても詳しく掲載。監督インタビューをはじめ、特別付録として日・仏版のポスターが付いており、作品のイメージを高めて映画館に行くのもいいだろう。

 ページをめくるたびに、いつでもジブリの世界に浸ることができ、もう一度観たくなること間違いなし。ジブリファンならば、ずっとそばに置いておきたい、そんな一冊だ。

文=吉田裕美