ひとり暮らしをしていると、家賃が負担だし、なんだか寂しいし……。そんな理由から最近シェアハウスで暮らす女性が増えているそう。「シェアハウス=20代のもの」というイメージをくつがえす最新事情とは? 今、30代女性があえてシェアハウスを選ぶ理由が、数字から見えてきました。

2年で2倍に増加

「テラスハウス」などのテレビ番組の影響もあり、「共同生活もありかも?」と考える人も多いのではないでしょうか? 実は東京を中心に、シェアハウスの件数は近年急増しています。

日本シェアハウス・ゲストハウス連盟の「シェアハウス市場調査2015年版」によれば、2015年のシェアハウス物件数は3157件。2013年よりも400件以上増加しています。その半分以上が東京都に立地するシェアハウスですが、東京以外の地域でもシェアハウス件数は増加傾向にあるようです。

特に主要都市(大阪・愛知など)以外の、「その他の地域」に分類された場所にあるシェハウスは2013年には84件だったのが、2015年には191件と約2倍に増加。さらに、近年はさまざまなコンセプトのシェアハウスが増えているようです。

「シェアハウス市場調査2013年度版」(シェアハウス・ゲストハウス連盟調べ)によれば、「一貫したシェアハウス事業のコンセプトがある」としたのは事業者の41.3%、「シェアハウスごとにコンセプトがある」としたのが33.3%。7割以上の事業者が何らかのコンセプトのもとでシェアハウス事業を展開していることになります。

実際にシェアハウスの物件を調べてみると、「共用語は英語」「みんなでダイエット」といった付加価値やサービスを提供するシェアハウスがあることに驚かされます。特に「女性限定」でコンセプトのあるシェアハウスは人気で、空室がすぐに埋まってしまう状況のようです。

5人に1人の女性が「シェアハウスに住んでみたい」

では、シェアハウスに興味を持っている女性はどれくらいいるのでしょうか? 生活トレンド研究所の「『住宅』に関するアンケート調査」(2013年)によれば、シェアハウスに「住んでみたい」とした男性が12.8%だったのに対し、女性は21.1%。男性よりも女性の方がシェアハウスに対し興味を抱いていることがわかります。

また、シェアハウスポータルサイトへの問い合わせも、男女比を見ると、女性が66.1%と、全体の3分の2を占めます(シェアハウス・ゲストハウス連盟調べ)。

さらに平成26(2014)年度の国土交通省による「貸しルームにおける入居実態等に関する調査」によると、シェアハウス入居者の男女比は男性55.3%、女性44.7%(2011年度)だったのが、2年後の2013年度には男性47.9%、女性52.1%に。女性の入居者の割合が男性を上回ったのです。ちなみに入居者が「すべて男性」のシェアハウスが1.6%に対し、「すべて女性」は25.4%となっています(「シェアハウスの市場調査2013年度版」より)。

30代でもシェアハウスはあり?

シェアハウスといえば、20代の若者たちが共同生活を送っているイメージですが、近年は入居者の年齢に変化が生じているようです。

少し古いデータですが、平成25(2013)年度の「貸しルームにおける入居実態等に関する調査」によれば、2007年の入居者の平均年齢が27.7歳だったのが、2012年の調査では28.9歳にと、約1歳上がっています。

入居者の年齢の割合の推移を見ると、2007年に全体の28.5%を占めた「20歳前半」は2012年には23.2%に減少。一方で、「30代前半」の割合は18.2%から22.6%に上昇しています。他にも「30代後半」「40代前半」の割合も少しずつ増加しており、シェアハウスが多様な年代に受け入れられるようになってきたことがわかります。

留学気分で半年だけ暮らしてみる

では、シェアハウスへの入居に至る「決め手」とは何でしょうか?

先ほどの「貸しルームにおける入居実態等に関する調査」によれば、2011年度と2013年度の調査でもっとも多い回答は「家賃が安いから」で69.2%。近年で特に増えている理由としては「立地がいいから」で、2013年度にはこれを理由にした人が62.7%に上っています。

確かに東京都でシェアハウスが100件以上ある地域を見てみると、「新宿区」「渋谷区」「豊島区」「世田谷区」など、アクセスがよく、普通に入居すれば家賃相場の高い場所が挙がります(「シェアハウス市場調査2015年度版」より)。

さらに、シェアハウスの平均家賃を見ると、48.2%が「4万円未満」、17.5%が「4万〜5万円未満」となっています。半分以上の人が5万円未満の家賃でシェアハウスに暮らしているのです(「貸しルームにおける入居実態等に関する調査」より)。

立地がよく、家賃が安い。シェアハウスに暮らす女性の中には、短期間だけシェアハウスで暮らし、浮いたお金を貯金や留学や旅行などの資金に当てる場合も多いようです。

実は先ほどの「シェハウス市場調査2013年度版」によると、シェアハウスの契約は「1ヵ月以上6ヵ月未満」が33.3%と一番多く、次に「6ヵ月以上1年未満」の31.7%が続きます。普通借家契約では1年以上の契約を結び契約の更新も借主の意向が優先されるのに対し、シェアハウスでの契約は「定期借家契約」が多く、契約時期を自由に設定できる代わりに確実に契約更新と同時に部屋を明け渡さなくてはなりません。

お金を貯めながら、短期間だけ自分の求めるコンセプトのシェアハウスで暮らしてみる。「留学気分」で半年、といった使い方もありかもしれないですね。

(安仲ばん)