堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が回答する本連載。今回は「彼が浮気相手にだまされて、妊娠させてしまった」という、森田直子さん(34歳・公務員)のお悩み。

「結婚を前提に同棲して2年になる、彼がいます。結婚前提だからウチの親も同棲をOKしたし、私の職場に結婚することは周知の事実となっており、入籍について具体的な話を進めています。

ちなみに、彼も同じ公務員です。ですが、彼は結婚が決まったとたんに、浮気心が目覚めたらしく、自分の後輩と恋愛関係になり、しかも相手が妊娠してしまいました。先日、私達が住む家に、内容証明郵便が来て、100万円の中絶費用を請求するという内容が書いてありました。別途慰謝料なども請求する予定だそうです。

しかし、私達は挙式に向けて動いており、そんなところに使うお金はありません。彼はもともと、クルマが趣味でお金使いが荒く、貯金といえるものはなく、私に建て替えを申し込んできました。

友人や家族には結婚そのものを反対されましたが、またイチから婚活するのも大変だし、彼は気が合うので、もどうしても結婚したいのです。 彼と話し合ったところ、相手は“ピルを飲んでいるから大丈夫”と言ったそうです。

この場合でも、費用を出すべきでしょうか。それに100万円と言うのは中絶の相場としてアリなのでしょうか。それに、プラスで慰謝料請求というのはちょっと高額な気もします」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

彼とその浮気相手の女性は、両者合意の上で交際し、性交渉をしています。それゆえに理屈からすれば、彼が一方的に経済負担を負うものではありません。

しかし、体を痛めるのは女性の方であり、男性側がそれに伴う経済的な負担を拒否すると、女性との紛争を引きずることになるかもしれません。

解決の観点から考えると、理屈とは別に経済的負担を盛り込んだ示談を考える方がよいこともあります。 あるいは、あなたの彼が、あなたという婚約者がいることを隠して女性と親しくなったことも考えられます。

そして、女性は彼に婚約者がいることを知る由もない状況であったとします。そうだとすると、彼の浮気相手の女性は、交際自体問題はないと考えていたでしょう。   

たとえ、妊娠は予想外だったとしても、婚約者がいたという事実をもとに中絶をすることにしたという場合ならば、彼の責任は大きいです。 そうなると理屈の上でも、解決のためにも損害賠償義務は免れないと考えられます。  

経済的に解決するときは、弁護士を立てて、書面を交わすなどして周到にすすめたほうが無難。



■賢人のまとめ
彼があなたという婚約者がいることを隠し、浮気相手の女性に接近した可能性も考え、解決方法を考えたほうがいいかもしれません。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/