北朝鮮当局は、海外に駐在する駐在員に対して「勤務地離脱禁止令」を出した。7月末に起きた駐英公使のテ・ヨンホ氏一家脱北を受けてのものと思われる。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

中国の対北朝鮮情報筋によると、当局は最近「定められた任地を任意で変更し、勤務することを禁じる。任地外にいる者は任地に戻れ」との指示を下した。駐在員たちは既に戻ったか、戻る準備を急いでいるという。

当局は従来、駐在員がビジネスのために任地外で活動することを黙認してきた。駐在員には中朝国境の都市、丹東が人気だった。

北朝鮮に近く必要あらばすぐに帰国できる上に、大都市に比べて物価が安く、中朝貿易に従事する中国朝鮮族や在北朝鮮華僑が多く、ビジネスチャンスが多いというメリットもあった。

丹東のあるレストランのオーナーは「北朝鮮の常連が最近姿を見せないので、帰国したとばかり思っていた。彼らが任地に戻ったことは最近になって知った」と述べた。

今回の措置は、駐英公使のテ・ヨンホ氏が家族とともに韓国に亡命したことが背景にあると情報筋は口をそろえる。

「駐在員は、該当地域の大使館、領事館の保衛指導員(秘密警察)にどこへ行ったか、誰と会ったかを毎日電話で報告することになっている。保衛指導員としては、任地から勝手に離れられると統制が難しくなるので都合が悪い」(情報筋)

今回の措置は、北朝鮮の外貨稼ぎに影響を与えることが予想される。人脈作りなどの営業活動を一からやり直さなければならないからだ。