(写真提供:Rotta)

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出版不況の韓国で異例のバカ売れを記録した伝説的な写真集がある。
タイトルは『Girls 少女たち』。

韓国で論争も起こしたバカ売れ写真集

その名の通り、9人の美少女モデルたちによって構成されたオムニバス写真集で、版元は小さな出版社で告知・宣伝もなかったにもかかわらず、発売と同時にネットで口コミが広がり、大型書店チェーン「教保文庫」では品切れ店が続出。インターネット転売サイトでは一時、プレミアがついたほどの代物だ。

(参考記事:韓国出版社が驚いた!! Rotta(ロタ)の写真集『Girls少女たち』がバカ売れしたワケ)

この『Girls 少女たち』を世に送り出したのが、写真家でありイラストやデザインなども手掛けるクリエイターのRotta(ロタ)だ。

今やその人気は絶大で次々と新作写真集を発表することはもちろん、さまざまな分野で活躍。最近もオンラインゲームの広告撮影で日本の篠崎愛とコラボレーションして、韓国で大きな話題になった。日本からの取材は初めてという彼のインタビューを紹介したい。

――最近、すごくお忙しそうですね。もともと漫画やイラストのお仕事をされていたと聞きましたが、写真家に転身した理由は何しょうか?

写真というものは、とても魅力的なお仕事のように思います。撮影のために僕はもちろん、モデル、メイクさんらスタッフが力を合わせる。そんな状況で、予想を裏切る良い写真が撮れると、それが病みつきになるんですよ。また、僕の側に誰かがいてくれるという感じがたまらなく好きですね。

――そうやってカメラに収めてきた美少女たちの写真ですが、どこか少年漫画の表紙を思わせます。ロタさんは撮影のとき、どんな気持ちで臨んでいるのですか?

思春期の男の子が、理想の女の子を覗き見るような気持ちでしょうか。とにかく僕が少年に戻ったような感覚を意識しながら撮影しています。それって、昔読んでいた少年漫画のときめくシーンを僕なりに再解釈することでもあるんですよ。例えば、少年に対する少女の心が開くようで開かない、そのギリギリな境界線を少年の気持ちで表現してみたい、という感じですね。

韓国ではネガティブな“ロリコン”’文化

――なるほど。熱狂的なファンが多い理由がわかる気がします。そんなロタさんの意図をくみ取れない一部の人たちからは「ロリコン」という一方的な非難も起き、道徳的にロリコンをタブー視する韓国でちょっとした社会問題になりました。

まず、僕はロリコンではありません(笑)。僕の美少女写真って、日本ではごく一般的に消費されている作風だと思うんですよ。だから韓国でも普通に受け入れられると思ったら、そうでもなかった。去年からフェミニズムが盛り上がって、一部の女性と男性たちが異性に対する嫌悪感を表したことが社会問題にもなっていましたし、歌手のIUさんが新曲で『ぼくのオレンジの木』の幼い主人公・ゼゼーを性的対象に描写した疑惑が持ち上がり、炎上もしました。そういう事件を通じて、韓国では“ロリータ”、“ロリコン”という言葉にネガティブなイメージが定着したんです。

――それでロタさんの美少女写真にも矛先を向けられたんですね。

ええ。どうやら“ロタ”という僕の芸名も誤解を招いたようです(笑)。この芸名は以前僕が描いたロボットキャラクターの名前ですが、“ロリータ”と“オタク”を合わせたんじゃないかって言われたりしました。ただ語感が可愛いなと思って使うようになっただけなのに。とにかく、韓国でも時間が経てばロリータやロリコンについての概念が整理され、改めて考察するきっかけが生まれるんじゃないでしょうか。その上で、僕の写真が好きかどうかを判断していただくのは、読者個人の自由だと思います。

僕は成功したオタク(笑)」

――日本アニメのコスプレ好きな韓国のオタクたちの間でも支持が高いのでは? それにそんな疑惑にもかかわらず『Girls 少女たち』が売れたのは、きっと魅力を感じる人がたくさんいたからだと思います。個人的にはロタさんの美少女写真に透明感を感じましたが、写真を撮る際、特に気を使うところはありますか?

最も気を使っているのはモデルの選定でしょうか。漫画から出てきたような、逆に漫画の主人公にできそうな、そんなモデルを探そうと努力しています。また、光も大事ですね。自然光が綺麗な時間を狙って撮影を行っています。それから空間や衣装なども漫画みたいな雰囲気を充満させる。僕はとにかく、自分の写真が“漫画っぽい”って言われるのが好きなんですよ。

――“漫画っぽい美少女”の写真を撮る一方で、日本の風景を撮った写真集『ロタの日本散策』も出されています。これもまた、オタクを公言するロタさんの趣味だったのでしょうか?

『ロタの日本散策』は、8年ほど前から僕が日本で撮った写真を集めたものです。すべての写真をキャノンのティルト・シフトレンズで撮っているんですが、きっかけはお台場にある実物サイズのガンダムでした。「このレンズでガンダムをおもちゃみたいに撮りたい!」と思ったんです。

――最近は韓国でも“ガンプラ”が大人気だとは聞いていましたが、ロタさんの口から「ガンダム」が出るとは思いませんでした(笑)。

そこから写真がどんどん増えて、写真集も出せるようになりましたね。日本の方々にもぜひ見ていただきたいです。あふれんばかりの写真への想いと情熱を語ってくれたロタ。次回は、“ロタが語る日本”について紹介したい。(後編につづく)

(文=慎 武宏)