誰しも、子どもの頃にブランコで遊んだ記憶があると思います。自分が成長するにつれてどんどん高くまで漕げるようになり、最後にはブランコから飛び降りてどのくらい遠くまで飛べるかを友達と競ったりもしましたよね。

そんな、すごいブランコと聞いて思い出すのは『アルプスの少女ハイジ』のオープニングシーン。こちらは『空想科学読本』(柳田理科雄)によれば、36mのブランコだと推測され、時速68km/h、ハイジが乗るには怖すぎる!とのことですが、その空想をも超える男達の物語がこちら。

気球をつかった
世界一大きなブランコ

「レッドブル・スカイダイビング・チーム」のメンバー、マルコ・ヴァルテンシュピール、ゲオルグ・レットナー、マルコ・フルスト、ドミニク・ロイスマイアーは、とにかく“デカい”ブランコを漕いでみたいと思い立ちました。

彼らが用意したのは、5,900フィート(約1,800m)の上空に浮いた2つの気球。125mのロープの両端を固定し、そこに取り付けたシートに座って空中へと漕ぎだすのです。

つまり、125mのブランコ!ハイジを圧倒的に上回る「ビッグブランコ」のできあがりです。

振り落とされないように
必死だったよ!

プロジェクトを発案した、ロイスマイアーの感想が印象的。

「これは普通のベースジャンプやスカイダイビングとはまったく異なる体験でした。気球を飛び降りてからロープが伸びきるまでの間は自由落下ですが、ロープが伸びきると不思議な加速感があります。これは他では決して味わえない感覚。ブランコから振り落とされないようにするのが大変でしたよ」

またレットナーは、こうコメント。

「これは私たち全員が子どもの頃に描いた夢の実現です。高く、遠くまで漕いで、最後には飛び降りるんです」

終わってみれば
パーフェクトだった

ヴァルテンシュピールはプロジェクトが始まった時は本当にできるのか不安だったと言います。

「だけど、終わってみればパーフェクトだった」

このプロジェクトの成功には様々な条件が必要でした。まずは風のない完璧な天候、そしてロープのテンションを保つために、2つの気球の間隔を一定に保つことができる熟練の気球パイロット。そして4人のスカイダイバーたちの勇気。

ロイスマイアーが言うように、ベースジャンプともスカイダイビングとも違う、まったく新しいスカイスポーツが誕生したのです。

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