夏休みが終わると、受験生にとって焦りの日々が始まる。受験生だけではない。親も気遣いが大変になるが、さらにきついのが出費だ。羽根が生えたかのように1万円札が出ていく。

 

 受験料だけでも私立大学の場合は平均で1校3万5000円する。国公立ではセンター試験の受験料が1万8000円、大学の2次試験料が1万7000円程度、前期と後期を受験すると合計5万2000円になる。

 

 そして、めでたく合格となれば国立大学では約82万円、私立文系で約94万円、私立理系で約113万円の初年度費用(入学金と授業料)を納める(文部科学省調べ)。

 

 そのほかにも教科書代や通学費などの諸費用が必要だ。これもけっこうな額になる。この日のためにこつこつと貯めてきたとはいえ、受験戦争ではロジスティクス(後方支援)が半端ではない。

 

 他国と比べて日本の教育費は高い。

 

 その理由のひとつに公的支出が少ないことが挙げられる。9月に公表された『図表で見る教育2016』によれば、大学や短大などの高等教育にかかった費用のうち、公的支出の割合はOECD(経済協力開発機構)加盟国の平均が70%なのに対し、日本は半分の35%で、最下位から2番めだ。

 

 2015年の文部科学省の報告『子供の学習費調査』によれば、幼稚園から大学卒業までの教育費の総額は、すべて公立校で約523万円、すべて私立校だとすると約1770万円もかかる。まさに、子供の教育は日常生活の犠牲の上に成り立っている。

 

 東大が2015年12月に公表した「学生生活実態調査」によれば、東大生の親の55%が年収950万円以上だそうだ。裕福な家庭に育
てば受験戦争に有利ともいえる。

 

 ただし、ここで注意すべきは、親の14%は年収450万円以下で、平均的なサラリーマンと同じだということ。親が金持ちでなくても、東大には入れるのだ。