百貨店の大量撤退により地方・郊外の残存利益は誰のものに?写真は三越千葉店

写真拡大

 百貨店が大量閉鎖の時代に入った。今年閉店したのは、西武旭川店、そごう柏店、西武春日部店、マルカン百貨店(花巻)などの店舗。来年には三越千葉店、三越多摩センター店、西武筑波店、堺北花田阪急、西武八尾店なども閉店を予定している。

 なぜこれらの百貨店が閉店していくのか。背景にある構造を整理してみよう。

 昨今のニュースを整理してまずわかることは、閉店が発表されている百貨店はすべて地方店と郊外店だということだ。

 大手百貨店の収益は旗艦店に偏っている。三越伊勢丹で言えば、グループの中で新宿伊勢丹、日本橋三越、銀座三越の3店が圧倒的な売上と利益を上げている。

 1980〜90年代にかけての百貨店戦略では、この旗艦店の収益をテコに地方や郊外に進出して、新たな顧客需要を開拓するという考え方が「戦略的」だとされた。その目的で開店させたのがこれら地方店・郊外店だったのだ。その目的を果たせないまま、これらの店舗が今、閉店へと向かっているわけだ。

 大手百貨店がこのように地方と郊外のリストラに踏み切った理由は、旗艦店に経営を集中する方針を決定したためだ。そのきっかけは旗艦店の収益に陰りが見えてきたことにある。

 一番の象徴はインバウンド不振だろう。爆買いがブームになったと思っていたら、今年は銀座の百貨店の免税フロアが手のひらを返したようにがらがらという状態だ。きっかけは中国政府が海外旅行客の高級腕時計、酒、化粧品の関税を大幅に引き上げたことが大きい。

 円高もあいまって中国人観光客の財布のひもが締まったということと、中国人旅行者がモノ消費から関税がかからないコト消費へと消費をシフトし始めたことで、百貨店の免税品売り場はさみしい状態になった。

 それでは地方、郊外の立て直しまでは手が回らない。経営資源を集中させるべきは旗艦店だということで、地方百貨店や郊外百貨店の計画は「ここでおしまい」ということになった。

 それにしてもなぜ地方、郊外の需要が開拓できなかったのか?

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)