原口と小林は、1人しかいない相手のサイドバックに押されるように時間の経過と共にズルズルと後退。両者が下がれば、全体も下がらざるを得ない。反撃の手段は、決して上品とは言えないカウンターのみに限られた。

 4−2−3−1は、すっかりぺしゃんこ状態に成り下がっていた。4−2−3−1というより、4−2−1−3的なサッカーで臨んでいたら、試合内容は全く違ったモノになっていたはず。ゲームをコントロールするサッカーができていたはず。後ろ向きではなく、前向きなサッカーができなければ、選手は自信を回復できない。チームは勢いづかない。沈滞ムードから脱却できない。観戦する側も面白くないと僕は思う。

 そして、最後に宣伝をひとつ。

 10月18日、僕の新刊が廣済堂出版より発売されます。
「監督図鑑」世界と日本の現役サッカー監督176人のすべて〜日本代表次期監督を探せ!!

 タイムリーな本になりましたが、これを企画したのは、1年近く前。発売時期に、ハリルホジッチ解任論が渦巻く姿を予想して作ったわけではありません。選手の選択肢には限りがあるけれど、代表監督の選択肢は無限大。右肩下がりを示す日本選手を巧くリードできるのは、優れた監督しかいない。例えハリルホジッチがいい監督でも、本大会を考えれば、もっとよい監督が必要ではないかとの思いから、書き始めました。

 世界にはいい監督がいっぱいいる。休職中の中にもいる。これは事実なので、この本を片手に、監督探しをしてみてはどうでしょう。自分で言うのもなんですが、内容充実。僕と同じ思いの人なら、買って損はないと、自負しています。

「監督辞めろと言うのなら、対案を出せ!」とは、変えたくない向きの人からこれまで幾度となく浴びせられてきた言葉ですが、この本はまさにその答え。対案がぎっしり凝縮された本です。ご興味のある人は是非。