「言いたいことがあるのにうまく伝えられない…」。そんな悩みを持つ方は多いのでは?ましてや伝えたいことが、相手への苦情だったら…。そこで、編集部に寄せられたアンケートから、よくある困ったシチュエーションをピックアップ。スマートに解決へと導く、「ものの言い方」をご紹介しましょう。教えてくれたのは、大人のコミュニケーションに詳しいコラムニストの石原壮一郎さんと、話し方研修を数多く手がける大嶋利佳さんです。

人間関係をこじらせずに、苦情を伝えるのは「ものの言い方」上級者

●Case1 三河はるかさん(仮名・35歳)

<お悩み>500円を借りたまま、さらに借りようとするママ友。さりげなく返すよう催促したい

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 お金の貸し借りは人間関係のトラブルのもと。それはママ友も例外ではありません。石原さんはこうアドバイスします。

「お金を貸した側・借りた側の上下関係をにおわせるのは禁物です。『最近、なんだか忘れっぽくて…メモしておくね。あ! あの500円返してもらった?』と質問するとスムーズ。“間が悪く、思い出してしまったフリ”をすれば、相手のプライドも傷つきません」(石原さん)

 返す気があって忘れているのであれば、あわてて返してくれるはず。もしも、「返したはず!」と強硬に言いはるようなら、今後のつき合い方を考えた方がいいかもしれません。

「腹が立つかもしれませんが、お金のだらしない人にうっかり貸してしまった自分の迂闊さを反省しつつ、次からは貸さないと決めるのも大人の処世術です」(石原さん)

<ベストなお願いの「ものの言い方」>「メモしておくね。あ!あの500円返してもらった?」

●Case2 山本美樹さん(仮名・45歳)

<お悩み>会えば、いつも愚痴ばかり言う友達。せっかくなら楽しい気分で過ごしたいのに…

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「さりげなく話題を変えようとしても、気づけばネガティブな話にされてしまう」と、山本さん。愚痴をやめてほしいと伝えるとき、気をつけたいのは「本人は愚痴を言っている自覚はなく、『なんで、そんなこと言うの?』と反発されてしまう可能性が高い」という点。

「おすすめなのは『大変そうねえ』と相手の気持ちを受け止めつつ、『なんだか重たい気持ちになっちゃったわ』と自分の気持ちも伝えること。ここまで言われたら、なかなか愚痴を言い続けることはできないはず」(大嶋さん)

<ベストなお願いの「ものの言い方」>「大変そうねえ。なんだか重たい気持ちになっちゃったわ」

もしも、とっさに言い返せなかったときは?

 意に沿わないことなのに押しきられそう。そんなときにおすすめなのは、まず「ちょっと待って!」と声に出すことだと大嶋さんは言います。

「なにも言えなかった場合も『あのときは言えなかったけど』と、堂々と蒸し返しましょう。

『そのときに言えばいいのに!』と責められるかもしれませんが、『ごめんね。でも、やっぱり無理なの』と伝えれば、いくら強引な相手でも引き下がらざるをえません」。

まだまだあります!できる「ものの言い方」

●子どもがすることだからちゃんとしましょう

「子どもがすることだから」で、なんでもすませるママ友に異を唱えたいときの便利フレーズ

●言い続けると、聞くようになるんだって

子どもが大騒ぎしていても、「言っても聞かないから」と放置しているママ友に

●行けるようなら×日までに連絡ちょうだい

「行けたら行く」など曖昧な返事しかしない相手に。待ち続けることがかえってプレッシャーになることも

●ごめんなさい!宅配便が来たみたい

面倒な電話をきり上げるときのお役立ちフレーズ。相手が義母の場合は、夫や子どもに電話を代わるのも一案

●「だらしない人」だと誤解されるよ

「だらしない」「常にネガティブ」など、逆ギレを誘発しそうな苦言を伝えるときの鉄板フレーズ

【石原壮一郎さん】
コラムニスト。’93年に『大人養成講座』でデビュー。『大人モノ』の元祖&本家として活躍。大人のコミュニケーションに造詣が深く、人生相談本の収集家でもある。「「大人の言葉の選び方」」(日本文芸社)『大人力検定』(文春文庫PLUS刊)、『石原壮一郎のオトナの怒り方』(青春新書プレイブックス刊)など著書多数
「大人マガジン」http://www.otonaryoku.jp/

【大嶋利佳さん】
株式会社スピーキングエッセイ取締役講師代表。ビジネスコミュニケーション全般の研修を手がける傍ら、雑誌や書籍の執筆監修、講演なども多数行う。著書に「なぜあの女(ひと)の話し方は「強くて美しい」のか?」(三笠書房 知的生きかた文庫)『恥をかかない、“さすが”と思わせる言葉づかいの技術』(産業能率大学出版部刊)など
「大嶋利佳の書く・語る・空手の日々」
http://blog.livedoor.jp/rikaohshima/

<イラスト/田上千晶>