家の片づけは台所から始めよう

写真拡大

【団塊スタイル】(Eテレ)2016年10月7日(金)
「気になる親の暮らし『どうする?実家の片づけ』」

高齢の親が実家でひとり暮らしをしていると、子にとっては何かと心配事が尽きない。番組が取り上げたのは、「片づけられない親」だ。

家の中が物であふれているのに「もったいない」と捨てない母に、整理してほしい娘。片付けのプロが、解決に乗り出した。

紙袋や段ボールが床の上にギッシリ

番組は、東京都内で暮らす67歳の女性、大塚みや子さん宅を訪ねた。夫を亡くした後はひとりで築22年、4LDKの一戸建てに住んでいる。みや子さんの長女、純子さんは、最近実家に帰るとものだらけになっていて母が心配だと話す。

リポーター役のお笑い芸人・石井正則が、純子さんと一緒に家の中に入ると、いきなり足の踏み場もない状態の部屋が目に入った。物が詰まった紙袋や段ボールが、床の上にギッシリ。台所に進むと、多くの棚やワゴンが並び、食器、調味料、キッチン用品が所せましと置かれている。さらに勝手口の前が散らかってふさがっており、出入りができない。

奥の和室は、亡き夫の仏間となっている。ここも紙袋でいっぱいだ。収納しようにも、押し入れの中はすでにカバンやタオルで満杯。

みや子さん「2割くらいはいらないけど、いる物も結構あります」
純子さん「使える物は捨てられないんです」

最も片付けが難しいと思われるのが、夫の遺品だ。革靴や衣類をはじめ、みや子さんにとっては簡単には捨てられない。さらに、今は家庭を持って離れて暮らす純子さんも、自分が住んでいた頃に着ていた服や、子どものころの品を置きっぱなしにしていた。これは母だけのせいにはできない。

まず「毎日使う」から「捨てる」まで4種類に分類

母と娘の2人に、強力な応援が駆けつけた。「片づけアドバイザー」の杉之原冨士子さんだ。作業に入る前、娘の純子さんにこう要望した。

杉之原さん「実家の片づけは、お母様がここのお宅の主導権を持っていると考えていただきたい」

娘から母に「なんで捨てないの」「いらないじゃない」と声に出すのは絶対にダメ。けんかになると、作業が滞って目的が果たせなくなってしまう。

初日、真っ先に手を付けたのが台所だ。床にブルーシートを広げ、その上に4枚の色紙を置いた。すべての物を仕分けるためだ。「毎日使っている」は青い紙に、「時々使う」は黄色い紙に、「使っていないがとっておきたい」は緑の紙に、そして「捨てる」はピンクの紙に、それぞれ分けていく。

「何かに使えそう」と保管していたガラスの空き瓶に、空の容器にと、どんどん分別を進める。この中で「とっておきたい」に分類した物は、茶色い普通の段ボールではなく「白いボックス」に入れて残しておくとよいと、杉之原さん。一般的な段ボールは、いらないものを入れてしまいがちだ。白い箱なら、部屋の中に積んでおいても「嫌な感じは受けない」と説明する。

「毎日使っている」物を元の位置に戻していくうちに、調味料ケースが大きなサイズの割に収納する調味料が少ない点に母と娘が気づいた。実はケースを買うのは、物が増える原因になる。不要になったケースは処分に回した。

杉之原さんによると、台所は食品をはじめ「思い入れのある物が少ない」ので、最初に作業に取り掛かるには最適だという。

2日目からは、母と子の2人だけになった。食器棚を片づけると、みや子さんが日々必要な食器はわずかで、娘の家族が遊びに来た際に使う物を残してかなり減らせた。コンロの前を占領して調理スペースを狭くしていたワゴンも、同じ要領で仕分け、処分していく。勝手口の前もきれいにできた。

次に純子さんの部屋だ。子どものころの純子さんの成績表やテスト、母の似顔絵と思い出の品が続々と出てくる。時々片付けの手を休めて、2人は一緒に思い出に浸った。

前に進むための遺品整理

最後に残ったのが、亡き夫の遺品。この時は、みや子さんの次女も家にやって来た。

杉之原さん「前に進むための遺品整理です」

みや子さんにとっては、整理をしながら夫を思い出して考える機会になるというわけだ。実はみや子さんは、2人の娘にも夫の物を触って欲しくなかったと告白した。遺品整理を決断した母に、2人は「以前の母からは考えられない」と驚きつつも、喜んだ。

気持ちの整理をつけて、ごく一部の夫の「形見」を残して片づけを完了。スタジオのMCの風吹ジュンは、みや子さんの大きな変化と、夫への愛情あふれる様子にこう語った。

風吹「ちょっと感動しました」。