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情報通信研究機構(NICT)は10月13日、透明なスクリーンにホログラム映像が浮かぶプロジェクション型ホログラフィック3D映像技術を開発したと発表した。

同成果は、NICT電磁波研究所 電磁波応用総合研究室のグループによるもので、10月3日付けの英国科学誌「Nature Communications」に掲載された。

同研究室では、特殊なホログラム印刷技術とその複製技術によって、さまざまな応用が可能な光技術の実現を目指したHOPTECH(Holographic Printing Technology)という研究プロジェクトを2014年より開始しており、同プロジェクトの一環として、コンピュータで設計した光の波面をホログラムとして記録できるホログラムプリンタを開発してきた。同ホログラムプリンタは、3Dデータの可視化といった応用や、任意の反射分布特性を持つ光学素子DDHOE(Digitally designed holographic optical element)を作製することができる。

今回開発されたプロジェクション型ホログラフィック3D映像技術は、ホログラム映像を拡大投影する技術と、投影されたホログラム映像の光を特定の観測位置に集光する特殊な光学スクリーンをホログラムプリンタで作製することで実現されたもの。ユーザーは、自在に拡大されたホログラム映像を自由な視野角で見ることができる。

これまでにも、レンズや凹面ミラーといった光学素子を用いて、ホログラフィック3Dディスプレイの視野角を拡大する技術は提案されていたが、今回開発された技術は、ホログラムプリンタで作製した薄い光学スクリーン1枚で、従来の光学素子以上の設計自由度を実現することが可能となる。

さらに、同光学スクリーンはほぼ透明であることから、ディスプレイの使い方に応じて柔軟なシステム設計が可能となり、たとえば3D情報を提示する車載ヘッドアップディスプレイやホログラム映像を提示するスマートグラスの実現、デジタルサイネージのホログラム映像化等への応用が期待できるという。

同研究グループは今後、ディスプレイのフルカラー化を進めるとともに、実用化を目指したシステムの簡素化、複数の観測者に映像を提示できるシステムの検討や観測位置を自由に走査できるシステムの開発などを進めていくとしている。

(周藤瞳美)