やってしまいがちなおやつトレーニング

おやつが先か?お座りが先か?

「さあ今日はお座りを教えよう!」と意気込んで、あなたは愛犬の大好きなジャーキーの袋を開けました。
愛犬はあなたの行動をいつも見ていて、もちろんおやつの匂いや袋を開ける音にも敏感に反応します。
すぐさま目の前に来た愛犬におやつを見せて、「お座り」と言いながら徐々に持ち上げていくと、スッとお座りをしてくれました。
あなたはおやつをあげながら「いい子!」とほめて、続けざまに次のジャーキーを袋から取り出して同じくお座りをさせます。
ご飯の時にも食器を手に持ち、「お座り」と言えば素直に座ってご飯が来るのを待っています。

次の日、お散歩に出かける前の玄関で、愛犬にリードを着けようと昨日教えたお座りをさせたいあなた。「お座り!」と言っても愛犬はお散歩に行ける嬉しさから、興奮気味で聞く耳を持ちません。
「昨日はあんなにおりこうさんだったのに・・・。」こういうことよくありませんか?
これはおやつが賄賂となってしまった悪い例です。おやつのために飼い主さんの指示を聞くことは、おやつがなければ指示は聞かなくなるということなのです。

これが正解!正しいおやつトレーニングのポイント

前述した例で言うと、手の中におやつを隠して「お座り」という言葉を聞いただけでお座りしたら、そこで初めておやつを見せて犬に与えます。
「おやつがあるからお座りをする」のではなく「お座りをしたらおやつがもらえた」になれば、おやつはご褒美として立派な役割を果たしてくれるでしょう。

おやつだけがご褒美とは限らない

言葉やナデナデもご褒美

例えばアイコンタクトを教える時は、愛犬の目線を自分の目線に誘導するために最初はおやつを使うことも多いでしょう。
目線が合ったら、まず「いい子!」などの褒め言葉を愛犬にかけてあげます。それからおやつを与えます。
最初は目が合ったら褒め言葉の後に毎回おやつを与えますが、徐々に「言葉だけ」「ナデナデだけ」「おやつがもらえる」とランダムにしていくことがポイントです。

褒め言葉だけのときも、いつもよりテンションを高めにしてあげるのがお勧めです。注意すべき点は、褒め言葉は常に統一するということです。「いい子」だったり、「ヨシ」だったり、「ヨシヨシ」だったりするとワンちゃんは混乱します。家族の間でも決めておきましょう。

おやつはいつ出てくるのか?

おやつ無しで指示が聞けるようになっても、おやつをストップさせないほうが愛犬のモチベーションは下がりません。飼い主さんに褒められるだけでも嬉しいけれど、時々忘れた頃におやつがもらえたらワンちゃんのワクワク感がアップして、もっと飼い主さんに注目したくなります。
おやつは何種類かレパートリーがあれば、ワンちゃんも飽きずに楽しめます。

遊びもご褒美

昔、TVで麻薬探知犬の特集を見たことがあります。
大変な訓練の中、見事怪しい薬物を探し出した探知犬にトレーナーさんが与えたご褒美は「おもいっきり遊ぶこと」でした。ボールやタオルを投げたり引っ張りっこしたり、探知犬もとても嬉しそうでした。
緊張で張り詰めた神経をおもいっきり開放してあげることも一種のご褒美になり得ます。

「待て」など愛犬に我慢をさせるトレーニングでは「ヨシ」の合図とともに、遊んであげたりボールを投げてあげることも大好きなワンちゃんにとってはご褒美なのです。

まとめ

おやつは、しつけやトレーニングにとってとても便利なツールです。でも間違った使い方をして、飼い主さんが「自動おやつマシーン」になってはいけません。
ワンちゃんの性格だったり、何が好きかどんなことでやる気が出るかも注意深く観察してみてください。飼い主さんの喜ぶ笑顔や気持ちが、愛犬にとっておやつよりも数倍魅力的なご褒美にだってなるはずです。