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 10月1日の前後一週間に大型連休を迎えた中国。各地の観光地は黒山の人だかりを見せる。こうしたなか、西安市の兵馬俑で、2日間で200以上もの軍人証明書の偽物が発見された。偽の学生証も横行している。証明書があれば、一般価格よりも安い入場料で観光施設を利用することができるからだ。

ニセの「特権」で安く入場

 例えば、湖南省の国立公園、張家界森林公園の一般入場券は261元(約4000円)だが、学生証の提示で158元(約2400円)になる。兵馬俑の入場料は150元(約2300円)だが、学生の場合はその半額の75元だ。

 数十元を支払ってインターネットで偽の学生証を入手しさえすれば、1人百元以上もする観光地への入場券が正規価格の半値近くになる場合もある。多くの観光客が偽造学生証の使用をためらわない。

 中国国内の記者が調査したところ、偽物があまりにも精巧に作られているため、チケット売り場や入場ゲートの係員が、偽物を見分けられないケースが多いことが明らかになった。天津市の名門大学、南開大学の学生が同大学の偽学生証を見て、自分の所持しているものと全く同じだと驚いたことも報じられている。

 偽造身分証明書を使用している一部の観光客は、こうした偽物は中国最大のオンラインショッピングモール「淘宝(タオバオ)」で購入したと明かしている。

 タオバオに出店している事業者が、ネット上で直接偽証明書の販売を打ち出しているわけではない。まずはQQ(テンセントQQ)のインスタントメッセンジャー機能を使って顧客とやりとりし、顧客が購入の意向を示してから、他の商品を偽ったURL(実際には偽証明書の購入ページ)を通知し、そのページを通じて偽造証明書を販売している。

 さらに一部のタオバオ出店者は、大学の偽HPまで作成しており、そこでは偽造学生証に記載されている学生の学籍情報を検索することができるようになっている。そして偽ウェブサイトのドメイン名や各ページなども、細部に至るまで本物そっくりに偽造されている。

 中国メディアの報じたところによると、一部の景勝地では偽学生証のみならず、ただで入場できる偽の将校身分証、兵士身分証、障碍者軍人身分証など新たな偽造身分証も続々と見つかっている。

 偽造身分証の使用が後を絶たない理由について、中国では観光地の入場料が法外に高いことが挙げられるほか、政府関連部門の監督管理体制がずさんなこと、社会に信頼や誠実を重んじるといった価値観が欠落していること、人々の所得が低すぎることなどが指摘されており、さらに偽物販売マーケットの広がりにより、人々が偽造品の使用に対し罪悪感を感じにくくなっているなど、多くの原因が挙げられると考えられている。

(翻訳編集・島津彰浩)