専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第75回

 最近、テレビや新聞などのメディアを賑わす社会問題の中で、よく目にするのが「地方格差」です。都会に比べて、地方は給料、交通手段、娯楽、高齢化、進学率、雇用、医療などなど、ほとんどの面で不利と言われています。「これは是正しなければ」と、安倍首相も日夜がんばっているわけですね。

 そんな中、唯一と言ってもいいくらい、地方のほうが優れているのが、なんと"ゴルフライフ"です。地方でゴルフをすると、料金は安いし、コースは広くて雄大だし、移動も楽チンで交通費もかからないし、いいことずくめです。

 いやぁ〜、いつも東京目線で物事を見ているので、こんな話を聞いたときには、目からうろこでした。

 実は、東京在住のゴルフ好きの知り合いが、栃木県のゴルフ場が密集している地域にアパートを借りています。ゴルフをする日は前泊して、週末には連チャンでゴルフ三昧なんだそうです。

 アパートの家賃は3万円弱。毎週ゴルフをすると、このほうが安いから驚きです。しかも、部屋はゴルフグッズであふれており、ゴルフ部屋をひとつこしらえたと思えば、安い投資かもしれません。東京でトランクルームを借りたら、結構なお値段を取られますからね。

 というわけで、ゴルフの地方格差は「逆・地方格差」だったのです。

 東京近郊で週末にゴルフをすると、3万円は下りませんからね。1回のプレーでアパートの家賃代が出ます。別に日帰りで栃木県や群馬県の安いコースに行けばいいと思うかもしれませんが、それでも交通費が高いし、移動時間が長くて疲れます。

 前述の知り合いは、私鉄のターミナル駅の徒歩圏内にアパートを借りているので、無料のクラブバスを利用してコースに行くのだとか。ゆえに、車なしの生活でも全然困らないのです。

 しかし、いくら経済的とは思っても、家賃3万円を出して地方に住む決断は、現実的にはなかなかできません。じゃあ、いかにゴルフにおける出費を抑えるか。

 ささやかな抵抗ではありますが、それはズバリ、マイカー移動をやめることです。

 すでに車を持っている方は、そのままで結構。車の所有だけでもお金がかかりますが、動かすとさらにお金がかかります。だから、ゴルフのときは同伴者の車に相乗りか、電車移動をお勧めします。

 私は年に数回、茨城県の水戸までミニコンペをしに行くのですが、そのときは一緒に参加する人の車に乗せてもらいます。それで、ガソリン代、高速代として、運転してくれる人に2000円を渡します。こっちは、2000円で水戸まで往復できて安くあがりますし、運転する方にしても、3人乗せて6000円の手間賃をいただいて、ガソリン代は軽く浮きます。相乗りは、みんながトクをするシステムなのです。

 一方、車なしの電車での移動も結構楽しいです。個人的には約3年前、車が故障して修理を依頼したら、かなりの金額がかかることが判明。とりあえず廃車にして、次に何を買おうかと迷っているうちに、車なしのゴルフ生活が始まり、現在に至っています。

 電車ライフをしてみると、意外にも楽チンです。わりとリーズナブルで、渋滞がないから時間が読めるし、乗車すれば、考え事をしたり、スマホでゲームをしたり、ニュースを読んだり、果ては寝たりと有意義に過ごせます。

 さて、この"電車ゴルフ"。いろいろとコツがあります。

 キャディーバッグはたいがい宅配便で送りますが、別の場合もあります。例えば、前の日まで練習したいとか、遊びのラウンドだから軽装でいいときとかですね。そういうときは、同じキャディーバッグでもコンパクトなキャディーバッグして、そのまま電車に持ち込みます。

 以前、袋状のソフトケースで"電車ゴルフ"と書きましたが(※9月1日配信「身軽に楽しむ
『ハーフ&ハーフ・ゴルフ』のススメ」)、それだと本格的な18ホールのコースだとカートに載せてくれないんですよね。無理やり載せても、見劣りするというか、ひとりだけペラペラのソフトケースだと、ちょっと「ゴルフなめてんのか!?」的な雰囲気が漂いますからね。そこは、一緒にラウンドするメンバーにも失礼になります。

 コンパクトなキャディーバックであれば、あくまで小さいだけで、そうした心配はいりません。クラブも12本ほど入りますし、通常から2本省いてラウンドに臨みます。シューズや着替えも入りますから、電車に乗るときはそれしか持ちません。これが、楽でいいんです。

 仕方がなく、他に荷物を持つときは、背負うリュックタイプにします。さすれば、移動中は常に片手が空いていてすごく便利です。ただし、リュックを背負ってゴルフとなると、名門コースはまず無理です。カジュアルなコースにフラッと行くときに、この小型のキャディーバッグが役立つのです。

 それにしても、ゴルフがこれだけ大衆化すると、バブル時代が懐かしいです。高級外車でコースに乗りつけ、バブリーなクラブハウスのソファにふんぞり返って、朝からステーキを食べていい気分。プレーのあとは美女とジャグジー......って、それは余計か。

 それが今や、リュック背負って"電車ゴルフ"ですからね。まあでも、貧乏くさいかもしれませんが、外車に乗っていた頃より、驚くほど健康的になったのは確かです。こっちのほうが、断然長生きするような気がします。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa