このところ紅茶をとりまく話題がおもしろい。水出しによる淹れかたが評価されたり、コーヒー専門店がわざわざ新ブランドを展開したり。それは、アフタヌーンティーのようなお作法よりも、より自在な紅茶の楽しみかたに注目が集まるようになったから。

その紅茶に含まれる成分に、なんとウイルスを抑制する力があるという。それもあの感染力の強さで知られるノロウイルスというのだから、ますます気になる。

世界初の発見
人に優しい消毒薬開発へ

10月6日、お茶どころ静岡県は、紅茶由来成分のひとつ「テアフラビン類」に食中毒の原因となる、ノロウイルスを消毒する作用があることを発表した。この成分、茶葉を発酵させる段階で生成されるものだそう。

ご存知ノロウイルスが厄介なのは、アルコール消毒や石鹸による手洗いでは、完全に消毒、殺菌できないという点。有効なのは塩素系漂白剤か熱湯くらいというが…これでは当然、どちらも手指にというわけにもいかない。

だが、天然成分のテアフラビン類は肌に害がなく、塩素臭も気にならない。「人に優しい消毒薬の開発に向けて大きな前進」、と各紙一斉に報じた。

なかでも「産経ニュース」は、実験を担当した30歳主任(県環境衛生科学研究所)の日々の努力に触れ、発見時の様子を紹介している。まるで同じ苦労を味わったような、苦労をたたえたくなる気持ちで読んでしまった。以下、抜粋して。

ノロウイルスの感染抑制作用を持つ化合物さがしは、同研究所が管理する約12万個もの化合物を、その性質から約2,000に絞り込み、来る日も来る日も培養した細胞にウイルス液を摂取し続ける毎日。それも5年間。

「もう見つからないかもしれないと何度も思った。テアフラビン類が作用していることに気づいたときも、半信半疑だった」と、振りかえった。

今後は県内企業とともに消毒薬の開発を進めていくことになる。