「40代でガン」をサバイバルする5か条

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 日本人の2人に1人はかかると言われているガン。“不治の病”というイメージはいまだに根強いが、「ガンと診断されてからも働き続けることは可能」という事実もある。治療技術が進歩している分、昔ながらの常識に促われたままでは見失うことも多い。現代のリアルなガンとの付き合い方を考えてみたい。

◆とにかく会社を辞めないこと!

 いざ、自分がガンになってしまったときの心得とは?

「治療を受けながら仕事を続けるのは可能だということを十分に認識して、簡単に会社を辞めてしまわないことです。厚生労働省の調査によると、なんらかの事情で正社員を辞めた人のほぼ4割が、再就職後は非正規雇用に。私が取材してきた中でも、退職してガンを治したまでは良かったけれど、その後、経済状態が悪化してメンタル的にやられてしまった人がいました」(ジャーナリストの松沢直樹氏。以下同)

 「治療に専念したほうがいい」などと会社から説得にかかられた場合はどうすれば……?

「何事も、口頭で相談するとうやむやにされがち。まずは『退職ではなく休職扱いにしてほしい』という旨を、医師の意見書などを添えて文書で提出しましょう。会社の態度が冷淡なときは『自分としては仕事を続けたいのですが、使い物にならないと判断したらクビにしてください』と啖呵を切るのも手ですね。基本的に、健康上の理由で社員を辞めさせることはできませんから、『だったら時短勤務で様子を見てみよう』となるはず。最悪、退職することになっても『会社都合』ということになれば、直後から失業保険がもらえるのは大きい。自分から辞めてしまうと、失業保険がもらえるのは3か月後。一番お金がかかる時期の収入がゼロになってしまいます」

 闘病期間が長引いて、家計が苦しくなったときは、生活保護に頼るという選択肢も浮上する。

「ただし、『ガンなら申請が通るだろう』と楽観的に考えるのはNG。ガンの患者であろうがニートの若者であろうが、個人の事情に関係なく、生活保護の申請は8割がた断られています。面倒でも、支援団体などを通して申請すべき」

 結論。ガンは深刻な病気であるが、いたずらに絶望すべきではない。一方で、職場や行政が必ずしもガンの患者を特別扱いしてくれるわけでもない。そのことを肝に銘じておくべきだろう。

★「40代でガン」をサバイバルする5か条

・すぐに会社を辞めない
・「時短勤務」が可能か人事に相談
・「休職」を望む場合は「文書」で申請
・退職する場合は、極力「会社都合」で
・生活保護の申請は支援団体を通す

【松沢直樹氏】
ジャーナリスト。非正規、請負などの立場で働く人の労働組合「インディユニオン」執行副委員長として労働相談などのサポートに当たる。著書に『うちの職場は隠れブラックかも』(三五館)

取材・文/江沢 洋 古澤誠一郎 取材協力/エコンテ
― [40代でガン]の実態 ―