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シスコシステムズは10月12日、8月からスタートした2017年度事業の戦略説明会を開催した。この中で、代表執行役員社長の鈴木みゆき氏は、今後は売切りモデルから月額課金モデルにシフトしていく意向を明らかにした。

鈴木社長は冒頭、2016年度を振り返り、「Cisco Startが始まって1年が経過したが、お客様にCisco Startへの本気度を認めていただいた。結果、SOHOルータ市場ではシェアが9%から16%に拡大し、順位も4位から3位に上がった。販売パートナーも60社から1757社に増え、地域に根ざした販売網もできた。デジタルビジネス支援では、IoTのパートナーシップも拡大し、サービスを提供できる段階になっている。統合ソリューションビジネス強化では、製品営業とサービス営業を一体化し、お客様を支援するONE Ciscoの体制が整っている」と述べ、「大きな手応えを感じている」と、この1年の成果に満足感を示した。

そして、同氏は続けて2017年度の重点戦略を発表し、「日本市場により根ざした事業展開」、「お客様のデジタルビジネス支援」、「統合ソリューションビジネス強化」の3つを掲げた。実はこの戦略は2016年度と同じだ。

これについて鈴木氏は、「昨年は舵を大きく切って、中小企業向け、日本市場向け製品を提供してきた。今年は昨年導入したCisco Startを加速させるという意味がある。当初はルータ、スイッチで開始したが、それにワイヤレス、コラボレーションを加え、最終的には包括的なクラウドソリューションを提供していきたい。日本企業から相手にされる企業を目指すことは変わらない。来年は1位を目指していく」と説明した。

今年のテーマは「Innovation at Full Speed(フルスピードで変革を)」だという。

「日本市場により根ざした事業展開」では、日本市場に適した製品の開発・提供やエコパートナーシップ、投資の拡大を行っていくという。

日本市場に適した製品としては、「Cisco Start」とクラウド管理ソリューションの「Cisco Meraki」を挙げ、パートナーシップでは、富士通とのパートナーシップ拡大を図るという。富士通とは業種に特化したソリューションの開発を検討し、具体的には、ヘルスケア部門(病院向け)に積極展開するという。

「デジタルビジネス支援」では、「IoTとデジタル化」、「クラウド」、「セキュリティ」、「次世代サービスプロバイダ」の4つにフォーカス。

「IoTとデジタル化」では、製造業とスマートシティ・スポーツエンターテインメントなどの公共分野に注力し、製造業では、機器の接続による見える化をはじめ、さらに、サプラインチェーンなど、エンタープライズアプリの統合を進めるという。

「クラウドとセキュリティ」では、「クラウド技術の提供」と、「クラウドで提供するサービス」の2つに注力。クラウド技術では、ハイブリッドクラウドのオーケストレーションと管理に向けた「次世代データセンターアーキテクチャー」を提供する。

クラウドサービスでは、コラボレーションのWebex、Cisco SPARK(来年上半期提供)、差別化戦略としてセキュリティを提供し、OpenDNSサービス(年内提供予定)やCloudLock(2017年の上半期提供予定)のほか、Cisco Merakiを提供する。

サービスプロバイダ向けでは、仮想化、自動化、アナリティクス、プログラマブルなオープン性に注力し、次世代のネットワーククラウドサービス管理を提供するという。

3つ目の重点戦略「統合ソリューションビジネスの強化」では、ソフトウェアソリューションや業種別ソリューションを提供する。

鈴木氏は「ハードを売る会社ではなくサービスを提供する会社に変革し、お客様のデジタル化を統合的に支援していく」と決意を述べ、「一括で売る商品(売切り)とサービスやソフトウェア、クラウドなどの月額収入の比率を、グローバルでは現在の28%(月額課金)から2020年に半々にしていきたい。日本も同様に2020年までに半々程度にしていく」と具体的な数値目標を掲げた。

(丸山篤)