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日本では原則として自転車は車道を走ることが義務づけられていますが、駐停車する自動車の横をすり抜けていると、突然ドアが開いて走行中の自転車が衝突するという事故が起こります。このような事故は「dooring(ドアリング)」と呼ばれ、サイクリスト側で避けることが難しいため多くの自転車乗りに忌み嫌われているのですが、自転車大国のオランダでは、ドアリングを防ぐ簡単で誰でもできる秀逸な方法「Dutch Reach(ダッチリーチ)」が実践導入されてドアリングの事故を激減させる成果を上げています。

The Dutch Reach: Clever Workaround to Keep Cyclists from Getting "Doored" - 99% Invisible

http://99percentinvisible.org/article/dutch-reach-clever-workaround-keep-cyclists-getting-doored/

サイクリストの憎き敵であるドアリングとは以下のような事故です。日本とは違い自転車専用レーンを設けるヨーロッパやアメリカでもドアリングでの重大事故が起こっており、自然環境に優しい自転車をより社会に取り入れるためにも解決すべき大きな課題となっています。



このドアリングの被害を予防するべく、自転車先進国と言えるオランダでは、誰でも簡単にできて効果抜群の「ドアの開け方」が考案されました。オランダ式ドアの開け方は、以下のムービーを見れば一発で理解できます。

How the Dutch Reach Could Save Lives - YouTube

車道を走る自転車。



自転車が停車中の自動車を避けるように脇を走行することがありますが、このときに不注意な自動車のドライバーがドアを不意に開けるとドアリングが起こります。車道で転倒すれば後続の自動車にひかれる危険もあるため、ドアリングは大きな交通事故につながりかねない現象です。



普通、自動車のドアを開けるときはドアに近い方の手で開けます。左ハンドルの運転席だとドライバーは左手でドアを開けます。



そうすると必然的に後ろを振り返ることなくドア操作をすることになるのでドアリングが発生しかねません。ドアを開ける人が後方車両に不注意なことがドアリングの大きな原因です。



これに対してオランダで実践されているドアリングを防ぐ開け方「ダッチリーチ」は、ドアと遠い方の手でドアを開けるというやり方です。



ダッチリーチでは体をひねるようにしてドアを開ける動作になるので、必然的に後方に目線が移ります。



ダッチリーチの動作によって後方から近づく自転車の存在を自然と確認できるので、不意にドアを開けて事故を起こすことはなくなります。



自転車が身近な交通手段として普及しているオランダならではの解決策であるダッチリーチは10年以上前に導入されていて、自動車教習所で学習するだけでなく運転免許試験にも取り入れられています。ダッチリーチを導入して以降、オランダではドアリングの被害が激減するという大きな成果を上げています。



誰でも簡単にドアリングを予防できるダッチリーチでドアを開ける習慣が付けば、きっとドアリングの被害が減りサイクリストにも自動車ドライバーにも優しい社会が実現するはずです。



・おまけ

「自転車レーンを走行しなかった」という理由で違反切符を切られたサイクリストが、「危険なのに自転車レーンの走行を義務づけるのは絶対におかしい!」と訴えて車道を走行するのがどれだけ危険であり、走行義務づけが理不尽なのかをアピールする抗議ムービーをアップロードしています。オチまで秀逸で、おかしいだけでなく自転車と交通ルールを考えさせてくれる内容になっています。

bike lanes on Vimeo