「べっぴんさん」ホームページ(NHKウェブサイトより)

2016年10月3日から、NHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」がスタートした。ドラマは、子ども服メーカー「ファミリア」の創業者・坂野惇子(ばんのあつこ)さんがモデルとされており、神戸市を舞台に展開されている。

NHKの看板シリーズの幕開けとあって、視聴者の期待は高まっているが、とくに神戸出身者の間では、ことさらである。ところがツイッターを覗いてみると、思いがけない反応が交錯していた。それは出演者たちが話す「神戸弁」に対してだった。

「神戸弁ちょい変やけど......」


「べっぴんさん」ホームページ(NHKウェブサイトより)

ツイッターに寄せられた声をいくつか見てみよう。

「神戸弁ちょい変やけど......しゃあないわな」「菅野美穂の関西弁(神戸弁......?)ナレーションが......微妙やな......」という感想が、ちらほら聞こえる。

つまり、菅野美穂が演じている主人公の母親は近江出身。生瀬勝久が演じる父親も同じ近江出身で、大阪で成功した商売人である。家庭内では「神戸弁ではなく大阪弁を話していると思われる」というコメントもある。

ドラマのプロローグの時代背景は、昭和初期。当時、大阪で働くビジネスマンの中には、神戸に別荘や新居を求める人が多かったという。神戸に住んではいても、働いているのは大阪。家庭内でも大阪弁が主だったのではないか、という解釈だ。

ドラマの中でも、大阪弁、近江弁、神戸弁が微妙に使い分けられているのではないか、という見方もできるだろう。だとすれば、この反応も制作側の思惑通り、ということになるが......。

「神戸弁と大阪弁は違うねん」という声もある。見とう、聞いとう、言うとう、知っとう、と語尾に「とう」が付くのが神戸弁の特徴だ。また京都弁も加えて比較すると、標準語「何してるの?」は、大阪弁では「何してるん?」や「何してんねん?」、京都弁では「何してはるん?」、神戸弁は「何しとお?」「何しとん?」となるという。

事ほど左様に微妙に異なる神戸弁が、ドラマの中であまり強調されていないのではないか、というのが、神戸出身者の感想のようだ。

ドラマの主人公すみれ(芳根京子)は神戸生まれの神戸育ちだ。すみれが通う、山手の名門女学校は、坂野惇子さんの母校・甲南女学校をモデルにしたと推測されるが、同級生のお嬢様たちが話す言葉が神戸弁かどうかは、ドラマを見ていても定かでない。

また、すみれが秘かに慕う潔(高良健吾)や、すみれの相談相手になる神戸の靴店「あさや」の店主・麻田(市村正親)の話す言葉も、はたして神戸弁かどうか、いまひとつはっきりしない。

ドラマはまだスタートしたばかりだ。今後の展開で、神戸っ子たちの不満は解消されるのだろうか?