残酷なわかれ道…!「出産を機に仕事を辞めた」が示す本当の意味とその後

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子どもができて、体調のことを考え、仕事を辞めた。仕事は大好きだったけど、保育園に落ちて、仕事を辞めた。育児休暇後、仕事復帰をしたけど、疲れ切って仕事を辞めた。会社の空気を読んで、泣く泣く仕事を辞めた。

このような経験をしたママは、決して少なくないでしょう。日本では、仕事が好きなのに辞める選択をしたママたちに、さらなる試練が待ちうけています。それは、“出産を機に仕事を辞めると、復職がきわめて難しくなる”という事実。

女性が出産を機に退職を選んだあとに待ち受ける試練とは、どんなものなのでしょうか。


■妊娠・出産時に仕事を辞める女性は、20代で73.1%

明治安田生活福祉研究所が8月に発表した「第9回結婚・出産に関する調査」によれば、妊娠・出産時に仕事を辞めた女性が30代では50.5%、20代ではなんと、73.1%にのぼることが明らかになりました。

これは昔の調査結果ではなく、2016年の8月に発表されたものです。

その背景には、女性の「しばらく家庭を大切にしたい」「職場の支援制度が不十分」などの理由があるようです。一度退職すると、なぜ復職が難しくなるのでしょうか?

今回は、産後1年後、3年後、8年後のシミュレーションをお届けしていきます。

■1年後……共働きじゃないと保育園に入れない

妊娠や出産を機に退職したり、働き方を変えたりした場合、“保活の試練”が訪れます。

多くの自治体では、認可保育園に入園するための“優先順位”があり、ポイントや指数で“保育の必要性”をジャッジされるからです。

例として、東京都北区の「保育の利用基準表」を参照してみると、優先順位は一目瞭然。

・週に5回、8時間以上の勤務・・・10点

・週に3回以上 4時間以上6時間未満の勤務・・・6点

・求職中のため昼間外出を常態としている・・・3点

点数が多ければ多いほど、入園に有利になるわけですが、激戦区ほど両親ともにフルタイム勤務であることが入園の前提になる現実があります。ママが求職中やパート勤務の場合、選考の土俵から蹴落とされてしまう地区もあるのです。

■3年後……幼稚園に入ると再就職の時期が遠のく

退職から2〜3年。保育園をあきらめ、子どもを幼稚園に入園させると、“あること”に気づくママもいます。

「そっか、私この先3年は、自由に働けないんだ……!」ということです。

これじゃ働くのムリ!入園後“一気に忙しくなる”幼稚園の特徴6つ」 でお伝えした通り、働くのが難しい幼稚園は少なくありません。

哲学者の國分功一郎さんは、

<今の幼稚園は、ずいぶん変わってきているとはいえ、お父さんが働いてお母さんが専業主婦っていうモデルがまだまだ維持されているように思う。>

と語っています(古市憲寿さんとの共著『社会の抜け道』より)。幼稚園では、ママ友と1〜2時間ランチをする時間の余裕はあっても、“6時間以上働く”ということが難しくなってしまう傾向は否めません。

■8年後……過去につちかったキャリアが活かせない

子どもが小学校に入学。気づけば、仕事を辞めてもう8年。子どもは小学校にあがったし、「そろそろ働こうか」と考えたとき、以前働いていた業界で働きたくても、いろんなことが変化し、まるで“浦島太郎”になったよう。

さらに、年齢やブランクがネックとなり、仕事のオプションがグンと狭まってしまいます。結果、“近所でのパート”を選択するママが少なくありません。

どんな仕事でもやりがいを持ってキラキラと働いているママもいます。しかし一方で、“ある不満”を胸にくすぶらせているママも少なくありません。

それは、これから教育費がかさむ時期がくるのに「過去のキャリアが活かせずに、思うように稼げない」ということ。

こうして、妊娠や出産を機に、目には見えない収入やキャリアの“分かれ道”ができてしまうのです。

以上、出産を機に仕事をやめたママを待ち受ける試練についてお届けしましたが、いかがでしたか?

筆者は、様々なママ達と交流しながら、有能なママが働くことをあきらめ続けている実態を目の当たりにしています。

たとえ一度は働くことをあきらめたとしても、希望すれば仕事に戻ることのできる仕組みづくりこそが、政府が望む“女性活躍”につながるのかもしれません。

また、妊娠・出産を控えている女性は、どんな風に育児や仕事をしていきたいのか、一度想像してみることが大切だと言えるでしょう。