「ゲイは襲って来そうで怖い」と思う人を2分で安心させる記事

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鈴掛真の【ゲイだけど質問ある?】 vol.18

こんにちは、歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。

人種や文化など、いろんなマイノリティが認められていくなかで、切っても切り離せないのが『同性愛者が同性に怖がられてしまう』ということ。今回は、みなさんも抱えているかもしれないこの恐怖を解消していきましょう!

詳しく知りたいけど、なかなか知る機会のない“同性愛”の話題。
【ゲイだけど質問ある?】では、オープンリー・ゲイの鈴掛真が、みなさんの気になる疑問・質問にお答えしていきます!

質問 【異性愛者の男性を襲いたくなる!?】

「学校や職場に同性愛者がいたら襲って来そうで怖い」という意見はときどき耳にすることがあります。
まあ、そういう発想になるのもわからなくないんですが、ではこんなふうに例えてみましょう。

女性が多く働く職場に、男性社員が赴任して来たとします。
その男性社員が初日に、こんな自己紹介をしました。
「俺が男だからってイヤらしい目で見たり襲って来たりしないでくださいね!」
さて、女性社員たちはどう思うでしょうか。
(は?)
(なに私たちが色目使う前提で話してんの?)
(襲うわけないのにそんなことわざわざ言う?)
(こっちにだってタイプがあるわ!)
(どの顔が言っとんじゃコラッ!!)
とにかく、良い気分はしないでしょう。
僕ら同性愛者もこれと同じことを思っています。

「でも、テレビでオネエタレントがよくタイプの男にセクハラしてるし!」と思うかもしれませんが、あれは結局、テレビ上の演出。
実際にタイプだったら、なおさら襲ったりしません。だってタイプの人に嫌われたくないですもん。
それが正常な人の考え方ですよね?
同性愛者だってその感覚は当たり前に持ち合わせています。
その感覚がおかしくなった人が、実際に人を襲ったり、ストーカーになったり、犯罪に走るだけのこと。
“同性愛者 = 性犯罪者” なんてことは絶対にないので安心してくださいね!

性別を超越した“純愛”エピソード

それでもまだ「同性愛者ってなんか怖いな……」と思ってしまう人に、僕が体験した心温まるエピソードをご紹介しましょう。

あれは5年ほど前。
友人が彼女に結婚を申し込みたいというので、『プロポーズ大作戦』と称して計画をいっしょに練ってあげたことがあります。
彼のプランは、婚約指輪と共に、今後の幸せな生活を約束するお手製の『誓約書』を贈るというもの。僕は作家の腕によりをかけて、彼らしさが表れるような誓約書の文言を一字一句考えてあげたのです。

そして迎えたプロポーズの日!!
ところが、残念な結果に……。彼女にはまだ結婚の意志がなく、指輪も誓約書も受け取られることはありませんでした。

もちろん、彼はしばらく意気消沈……。僕も、彼女の心を掴む文章を書くことができなかった手前、責任を感じていました。
けれど、男女の結婚なんて正直関係ないゲイである僕が、誠心誠意でプロポーズを手伝ったことが、彼はきっと嬉しかったのでしょう。その後も毎週のように二人で食事をしたり、彼の車で出かけたりして、今でも親友と呼べる仲でいられています。
そんなある日、彼が車を運転しながらこんなことを言ったのです。

「シンちゃんが女だったら結婚してたのにな」

もちろん、彼はゲイでもバイセクシャルでもないし、僕も彼のことをそんな目で見たことはありません。
でもそのとき、僕はハッとしました。
結婚も、性別も、恋愛感情も、セクシュアリティも……本当は人間同士がわかり合う上で何も意味なんか無いんじゃないか。
あらゆる隔たりを透明にして失くすことができたら、人と人が心から信頼し合える本当の“純愛”が見えてくるんじゃないか。

僕は笑ってごまかしながら、そんなことをぼんやりと考えていました。

質問、お待ちしています!

鈴掛真の【ゲイだけど質問ある?】第18回、いかがでしたか?
次回は、【同性婚って意味あるの?】という疑問にお答えしたいと思います。

みなさんからの質問も募集しています。
疑問やお悩みなど、気になるお話をお寄せください。
メッセージお待ちしています!

【今週の短歌】
君のこと
ばかりでずっと
靴紐が
ほどけたことに
気づかずにいた
 

【ゲイだけど質問ある?】 バックナンバー

●vol.17 【ゲイの友情と恋愛の境目はどこ?】
●vol.16 【やっぱりゲイバーに行くの?】
●vol.15 【同性愛って“趣味”なんでしょ?】
●vol.14 【カミングアウトされたとき気をつけるべきことは?】
●vol.13 【職場のゲイとどう接すればいいの?】

鈴掛真プロフィール


鈴掛 真(すずかけ しん)歌人
愛知県春日井市出身。東京都在住。
著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。
雑誌『東京グラフィティ』で連載中。
Twitter・ブログでも短歌を随時発表中。

●Twitter http://twitter.com/suzukakeshin
●ブログ さえずり短歌
●オフィシャルWEBサイト http://suzukakeshin.com

Written by 鈴掛 真