「成長したい」とは多くの人が心に抱く願望だと思いますが、実際それに向けて行動を起こせている人はごく一部だと思います。たぶん「きっかけ」を作れずにいるのでしょうね。

ここでは経営コンサルタントであり、言葉の研究にも取り組む木村進さんの著書『頭がよくなる名言100』から、成長にまつわる名言を紹介します。世界の偉人たちが残した言葉が、みなさんの後押しになれば嬉しいです。

01.
たとえ今正しい道に乗っていたとしても、そこにじっとしていたなら、すぐに正しくなくなるだろう。

(ウィル・ロジャース/アメリカのコメディアン)

企業30年説というものがある。たとえ好調な企業でも世の中は素早く変化するので、それに合わせて変わっていかないと存続できなくなるからである。

例えば自動車でいえば、もともとアメリカでは日本の300倍近くの生産をしていた巨大産業であった。そこまでの大量生産ができない日本企業は、いわゆる「トヨタ生産方式」などといった、在庫を持たない方式を目指し、さらに燃費がよく環境にやさしい車をつくって、自分たちの生きる道を探し続けた。

一方でアメリカの自動車会社はわが世の春を謳歌し続け、変化すること、新しい道を探して行動することを忘れた。それでついには行き詰まった。

企業や仕事というのは、社会に貢献してこそ存在できる。社会が変われば、変わらざるをえない存在なのだ。私たちの人生もそうだろう。正しい道は変わり続け、進化し続ける。私たち自身もいつも正しい道を求めて変化し、進化し続けなければならない。

02.
本当の失敗者とは、大きな失敗をしたときでさえ、何も得ることのできない人のことをいう。

(エルバート・ハバード/アメリカの著述家)

人はよく「失敗者」という言葉を使うが、失敗者とは成功の準備をしている人のことである。本当の失敗者とは、エルバート・ハバードの言うように、失敗から何も学ばない人のこと。つまり、せっかくのチャンスを見逃し続ける人のことなのだ。

03.
良いアドバイスを生かすためには、それを他の人にも伝えていくことである。自分の中にとどめておいては、何の役にも立たない。

(オスカー・ワイルド/イギリスの作家)

アドバイスを他人に伝えていくことは、2つの意味でとても良いことだと言える。

1つは、他の人のためにも役立つ意義があるからである。もう1つは、他の人に、自分はこんなアドバイスを受けたと言えば、ある人は「それは的確なアドバイスだ」と言い、ある人は「それは間違っている、あなたはそんな人ではない」とお世辞を言うかもしれない(正しいこともあるだろうが)。

いずれにしても、そのアドバイスについて深く考える機会を増やしてくれることになるのだ。結局、他人からのアドバイスというのは、受けるこちら側に、それをよく考えて受け入れる度量、柔軟性が求められることになる。

04.
何事も、始めてしまえば心は燃えてくる。そして続けていれば、物事は成就するものだ。

(ゲーテ/ドイツの劇作家)

物事は、心に燃えるものがないと動かない。これは、エンジンが動かないと車が走らないのと同じだ。どちらも動き始めるまで、そして一定の調子が出るまでが難しい。といっても、適度なところで休ませないと故障する。この調整をうまくやっていけば、物事は見事に成就していくのである。

05.
強い圧力の下で磨かれて、ダイヤモンドはできる。同じく人間も困難に磨かれて、光り輝く人となる。

(トーマス・カーライル/イギリスの思想家)

戦前〜戦後にかけて、しばらく全国の小学生が唱歌として歌い、今もいくつかの女子学校で引き継がれている「金剛石の歌」というものがある。

金剛石というのはダイヤモンドのことだ。その詩は「金剛石も磨かずば 玉の光はそわざらむ 人も学びてのちにこそ 真の徳はあらわるれ」と始まる。昭憲皇太后(明治皇后)が、ベンジャミン・フランクリンの13徳に感銘を受けて創られたものだ。

ここで「人も学びて」というのは勤勉であることを意味しているが、広くとらえれば、カーライルのように困難に磨かれて学ぶことも入るだろう。ダイヤモンドはこの世で一番美しく、高価なものとされているが、それは大変な力で磨きに磨かれてできるものなのである。

人間も同じであろう、とカーライルや昭憲皇太后は見る。どんなに原石が素晴らしくても、困難に磨かれて、はじめて人は光輝く人となるのである。

06.
成功とは、今ある地位ではなく、それまでに乗り越えてきた障がいの数々が何であったかということによって測るものである。

(ブッカー・T・ワシントン/アメリカの作家)

楽をして、早く安易に成功しようという人は多い。しかし、かりそめの成功者は必ず足元をぐらつかせ、その後、世の中から消えていく。

それはニセの成功というもので、やはり本当の成功とは、自分の目指した事柄において必ず現れる障がいの数々に対して、丁寧にきちんと対処しつつ、自分のまわりの人たちの協力も取りつけつつ、成功していってこそのものとなる。

07.
人が集まってくることが始まりであり、人が一緒にいることで進展し、人が一緒に働くことで、成功をもたらす。

(ヘンリー・フォード/アメリカの実業家)

フォードは、自動車を大量につくることで、安く人々に提供し、車社会を実現した。それとともに多くの従業員たちの仕事をつくり、生活を向上させ、能力を生かした。
トヨタや日産が車づくりを始めたとき、フォードやGMの技術や仕組みを取り入れようとしたが、そのあまりのレベルの高さに、何十年も学びつづけなくてはならなかった。

フォードには頑固な発明者的性質もあったが、エジソンに強く影響を受けて、とにかく人々の役に立つ車をつくり出すんだという使命を持ち、それに打ち込んだ。フォードも若いころエジソンの会社で働きながら学んだように、最初から一人ではたいしたことはできない。やはり人が集まって、一つの目標に向かって強く結集すれば、ほとんどのことは成し遂げられる。怖いものはなくなるのだ。

08.
間違えてもいいという自由が含まれていなければ、その自由には価値がない。

(マハトマ・ガンジー/インドの政治指導者)

何も最初から過ちを犯そう、間違えようというのではない。正しい方向を目指していくのだが、どうしてもそれが間違っていることがある。こうして間違えるから、正しい方向もよくわかるのである。

それが、間違えてはいけないと言われると、何もできないということになる。つまり自由があったとしても、かなり意味のないものになる。ガンジーの言うように価値がないことにもなろう。今、この世にあるすべてのよいものは、人類のこれまでの間違いを正すことで生まれたと言ってよい。

「間違える→正す」。これが私たち人間が未来へ進む勇気を与えてくれるのである。

09.
人は誰でも過ちを犯す。しかし、自分の過ちにとらわれてばかりの者は愚か者である。

(マルクス・トゥッリウス・キケロ/ローマの哲学者)

キケロは波乱万丈の人生を送り、そのためにローマを追放されることもあったが、終生自分の正しいと考えることを堂々と主張する人であった。ローマの独裁者となり、過ちを犯さない英雄と扱われたカエサル(シーザー)でさえ強く批判した。このこともあってカエサルの人気が後世高く、キケロに対する批判が圧倒的に多かったのも、キケロらしいと言えば、キケロらしい。

日本でもカエサルの人気は、塩野七生氏の各著作を待つまでもなく高いものであった。しかし日本というのは、弱い人や英雄の政敵であろうと、必ずその言い分を知ろうとする。岩波文庫をはじめ、キケロの各著書が広く読まれているのは誇らしく思う。そしてキケロの言葉には大いに励まされる。

過ちは反省しなければいけないが、それにとらわれ過ぎる者は愚か者であると言っている。私もこの言葉にどれほど勇気づけられたかわからない。

10.
難しいからやらないのではない。やろうとしないから難しくなるのだ。

(ルキウス・アンナエウス・セネカ/古代ローマの政治家)

人は概して、やろうとしないで「やれない言い訳」をたくさんする。また、人が何か新しいことをやろうとすると反対する。するとそのうちに、それは難しいことであると思えてくる。

だから古代ローマのセネカもこのようなことを言ったのだ。実際にやり始めると難しいこともあるだろう。しかし、次元が異なった難しさとなる。それは実現に向けての難しさであり、ある種の楽しみもあるのだ。

何もしないでいると、その難しさはとても突破できないほどのものと思えてしまう。だが始めてみれば、その難しさへのアプローチの道筋も見えてきて、やりがいのある、またなんとか突破できると思える難しさへと変わる。

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